0からの話
1と0の話と微妙にリンクしてます。
ボールから出されるのはいつもバトルのとき
グリーンは何かにいつも追われているようだった。
そしてソレは形となっていた。
赤い赤い幼馴染でライバルの人物。
本当は、グリーンがいつも先に行こうと躍起になっていただけで、向こうはマイペースに進んでいた。
そういえば、一度だけバトル以外で出されたことがある。
らったがいなくなったとき、
またバトルかなと身構えてたら、ラッタ以外みんないて、どうやらバトルという訳でもなく僕らは首をかしげた。
「おまえたちの戦友がおれのせいでいなくなっちまった、ごめんな」
違うよ、グリーン、彼は戦友である以前に
親友だったんだ、
みんな意気投合してたんだよ、
君が大好きだって、通じ合ってた仲なんだ、
それに気づいたのはチャンピオン線で君が負けてからだけど。
グリーンはあのとき僕達をちゃんと見てくれていなかった。
僕達はそれでも彼の指示に答えようと躍起になっていた。期待なんてされていたか解らない、多分されてはいなかった。
けど、僕らは躍起になっていた。
期待は今もされてないけれど、あのときのグリーンは劣等感にまみれていて苦しそうだった。
僕達に彼の苦しさは解らない。本人にしか解らないことは理解しようとしたって所詮仮初めの苦しさにしかならないのだから。
だから、言葉の通じない僕達は「そんなことないよ」と劣等感に苦しむ彼に言えない代わりに行動で示そうとした。
ほら、君の指示に従えば相手にこんなにもダメージが与えられるんだよ。
ほら、君がいたから勝てたよ。
ほら、
こんなにも愛してるんだよ。
結局その事に
気づかせてくれたのは僕らではなくてアイツだけど、
嫉妬なんてしている場合じゃない。
だって僕らは素直じゃない彼から精一杯出された目一杯の愛情を受けているんだから。
僕たちが精一杯に目一杯の愛情を返さなきゃ。
今の僕たちは愛され信頼されている。