結末はきっとひとつ(sp金緑)
スペ設定です。
「誕生日おめでとう」
その言葉をかけられて、嬉しくないわけがなかった。ただ、表情に出ない、正しくはうまく出せないと言うべきか。
きっとブルーや、レッドなら解ってくれるのだろうが、まだ彼らほどの付き合いではない後輩達にはどうにも解って貰えないらしい。
「ほらっもっと笑ってくださいよ!社交辞令にしかみえねっすよ!」
「なっ、やへろゴー、」
祝いの言葉を掛けられた後に、案の定あまり表情に出なかったらしい。ほっぺを引っ張られる。
名前を呼び掛けたところで引っ張られたほっぺを解放された。
「そぉーだ、先輩こうしましょうよ」
ゴールドの中では名案らしい物が浮かんだのだろう。
ただし、彼の名案が俺にとっても名案かと聞かれれば、むしろそうでないことが多い。
変わり身の早い奴めと思いながら彼の提案に耳を傾けてやる。
「俺が今からある事言いますから、ちゃんと表情に出してください。」
うまく出せなかったら、罰ゲームッスよ。
ほら、やはりそういう妙案なんだ。生憎、表情に出すのが得意ではない俺には返事なんて限られている。
「断る。」
「そう来ると思いましたけど、したら罰ゲームと同じことしますからね」
コイツの罰ゲームと言うものが得体が知れず、きっと碌な事じゃない。
だったら、乗るしかないだろう。
「…俺は、何を言われれば良いんだ?」
ため息を吐いた後に聞いてやれば、待ってましたと言わんばかりの表情をしている。
この表情を見ただけで、訊いて良かったと思うなんて、俺も大概だな。
ズイ、と顔を近づけてきたゴールドに少したじろぐ。俺とコイツの関係で言えば、まあ今まで無かったわけでもないが、あまり慣れない。
「先輩、」
「な、なんだ。」
「今までもコレからも今もずっと先輩が好きッス。大好きなんスよ。好きすぎてツラいんです。コレからもずっと俺を側に置いておいてください。」
正直、驚いた。
珍しく、俺を側に置いておいてくださいだなんて弱気な、コイツの勝ち気な性格から来ると思っていなかったセリフを吐かれる。
マメパトが豆鉄砲を食らった気分だ。
少し不安げに下がる眉に、俺の表情の乏しさが原因として含まれているのなら、
「先輩、メッチャ眉間にシワ寄ってんすけど、」
「え、ああ、すまない」
「俺の告白、イヤでしたか?」
そんなわけがない。
むしろ、嬉しいさ。ただ、少しばかり、
「驚いただけだ……。」
気恥ずかしさに目を逸らすと、すかさず視界にゴールドが入り込んでくる。ゴールドの眉間にはシワが寄っていて人の事をいえたもんじゃないだろと思う。
「で、嬉しいんスか、イヤなんスか。」
コレは、教えないといけないのか。
この有無を言わせない目と性格、バトルだけはしっかり強いのだからズルい。
「イヤ、なわけないだろう。嬉しいさ。」
少し睨み付けてしまった気もするが、ゴールドは満面の笑みになったのだから良いんだろう。
「先輩、ありがとうございます!でも嬉しいのに眉間にシワ寄せたりしたから罰ゲームッスねー!」
嬉々として言ってくる後輩に俺のベッドにひき倒される。
グリーンさん、いただきます!!
いい夫婦の日・グリーンバースデー記念