憎まれるほどに増幅する。



世界は君の色で溢れている。

大好きな大好きな緑色。

ねえ、聞いてよグリーン、葉っぱも信号も標識にも緑が使われてるんだよ。目に緑が入らないときはないってくらい世界は君の色で溢れているんだ。美しいよね。
目に入る度に僕は君を思い出して君の行動を考えるんだ。今何してるのかな、元気かなって。

でも僕は安易に君に会いに行けない。それが凄く辛いんだ。
大好きで愛している人に会いに行けないって事が、どれだけ辛いことかはきっと君は知らない。そしてきっと君は僕が君の心を知っていることも知らない。
どれだけ幼馴染みでライバルで、君を長い間見てきたと思ってるの。君は僕の事を見ているようで、全然見てくれなかったから知らないんだろうけどね。

でも、


でもね、

もし、万が一、僕のこの気持ちが爆発してしまったらどうしようって思うんだ。
君の気持ちを知ってたから、嫌な思いをさせたくなくて僕は敢えて会いに行こうとしなかった。
だけど、そのせいなのかな。グリーンに会えない日々が続く度に気持ちが変な方向に向いていくんだ。
グリーンを閉じ込めたい。
グリーンを独占したい。
グリーンをずっと眺めていたい。
グリーンを泣かせたい。
グリーンを傷つけたい。
グリーンを啼かせたい。

ああ、どうしようグリーン、君がこの思いに応えれないのは知っている。だから、だからこそ、暴走したときに歯止めが聞かなくなりそうで恐いんだ。
お願いだから僕の目の前に現れないでね。


もし、今度君を見つけてしまったら僕は…






枷の壊れる音が響いた。



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テーマ「人外ファンタジー」
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