カズアギイメージ(空気ギア)


「ちょ、救急車っ!」
かなり慌てた様子でアイツが叫ぶ。
かくいう俺は大量に吐血して、今だって生理的な涙が浮かぶほどイタ苦しいがアイツよりかは何百倍も冷静だと思う。

にしても救急車か、…
こんなに血ヘド吐いたんじゃ車内も汚れてしまう。
布についた血なんて簡単には落ちない。乾いたら尚更だ。

「オイ、」

アイツの肩を掴む。声だけでは気づけなかったアイツも流石に気付いて振り向く。うわっなんてツラしてんだ。

「いらない。歩いて行く。」
「は、な、何言ってんだよ!!無理に決まってるだろ!!」
歩き去ろうとしたら腕を掴まれ、振り払おうと体を捩る。
「い゛っ……!?」
捩った途端に猛烈な痛みに襲われバランスを崩し、アイツにもたれ掛かる形となってしまった。とんだ失態だ。
しかし、倒れると思った彼は倒れることなく寧ろ俺の事をしっかりと支えてくれた。
……案外しっかりした体格してんだな。
「大丈夫か!?ホラ!こんな状態で歩けるわけないだろ!!」
なんて言うアイツに安心感を抱き、痛みとの間で俺は意識を沈めていった。

「───!?」

アイツの俺の名前を呼ぶ声を聞きながら。



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