鈍感な誕生日(レッド誕)


お腹が空いてきた。
以前購入した食品はなくなっているためにトキワに降りないといけない。
しぶしぶ町に行こうとあるきだす。確か前に食べたのは4日前かな。買いに行くのが面倒で、結果的に断食をしていた。
ライバル兼親友以上の彼からすればかなり感覚が鈍感で、直感は鋭すぎるらしい。
確かに以前グリーンが女性とその日会ったことは当てたが、キクコという老婆とは思いもしてなかった。
グリーンやポケモン関係でないとむしろ直感ですら人並以下だとも思う。結局はその程度なんだけど。
なんだか、今日はよく考えてるな。良いこと作れる気がする。

楽しく思う気持ちがだいばくはつの如く一気に膨らみ、雪に足をうずめながら早くトキワにつかないかと走り降りた。トキワに着くって時に気づいたんだけど、リザードンに乗ればさっさと着けたよね。
案の定店では割引すらなく、値切るなど考えたが、長年使われていない喉は発生すらおこがましく感じてしまったようだ。

仕方なしに、そこらへんのトレーナーに勝負を仕掛けてやろうかと考えあぐねていると、ふと、割と大きな建物が目に止まる。
看板にはトキワジム。

楽に大金が手に入る。
その考えはよぎりはしたが、一瞬で否定される。
今日は行っても意味がないような気がした。

結局、そこらへんのトレーナーに勝負を仕掛け、稼がせて貰った。
食品を溜めれる分だけ買い、余った金でポケモンに使うための道具も買い貯めた。

そこで本来の目的に気づかされる。腹の虫が盛大に鳴いた。近くにいた短パン小僧が腹立たしい笑いを浮かべて横を歩き去っていった。さっき僕に負けたからポケセンに来てたくせに。
そうだ、今お腹が減ってるんだよ。
動くのを億劫に感じ、ボールからリザードンを出して「家」と告げる。空を飛ぶベテランは近場な事も会って一瞬で目的地に着いた。
ドアノブに手を掛ける。すると、右手から声を掛けてくる人物がいた。

「レッド!!」

お腹空いてるんだけどな、なんて考えたが、本能的に振り向かずにはいられなかった。そういえば連絡してなかったな。まあ、サプライズということにしておこう。
「なんだよ、連絡寄越せよな!」なんて予想まんまの言葉に、
「サプライズ、ビックリした?」と返せば、無表情だったはずなのに「忘れてただけだろ!」などと返される。
やっぱりジムに行かなくて正解。ジムリーダーはココにいるんだから。
「作ってよ。」
お腹を擦りながら訴えると「おばさんに作って貰うんじゃねーのかよ。」なんていいながらも家に招待してくれた。ゴメンね母さん。後で帰るよ。

グリーンの料理を思い出す。プロが作ったのでは?と疑いたくなるような、見映えに期待を裏切らないあの味に感動を覚え、何杯もお代わりした。
確かその時にナナミさんは笑いながら「ブラックホールね。」といって引いていた。グリーンはそれとは、相反して少し照れながら「次はこんなに食うなよ。」とまたご馳走してくれる意思を示してくれた。
椅子に腰かけると机の上に唯一ある紙が目に止まる。何気なしにみると、ジョウトのコガネに行ってます。明後日の夜には帰ります。とかいてある。
今外はカンカン照り。つまり、夜じゃない。つまり、ナナミさんはいない。つまり、大食いを咎めてくる人がいない!
徐々に上がるテンションを抑え、念のため確認する。

「ねーちゃん?今日から毛繕いの指導にジョウトのコガネに行くんだってよ。」
キッチンからエプロン姿のグリーンが振り向きざまに教えてくれる。うん、ライトグリーンが凄く似合ってるよ。
エプロン姿でまな板をトントン言わせるグリーンに癒されるが、癒しよりももっと激しい刺激が欲しくなってくる。別に、禁欲していたわけではないが、自身で慰めるのが好きじゃないからそうなっていただけなんだ。だから一度意識し出すと溜まっていた分歯止めが効かない。
そっと席をたち、グリーンの肩に腕をかけて、寄りかかる。
「あぶねーな、待ってろよ。」
なんて叱責は無視して「食べたいな。」と耳元で囁く。
くすぐったそうに軽く笑いながら「だから待ってろってもうすぐ出来っから。味見するか?ほら、あーん。」
彼からのあーん。なんて人生で初めてで予想外の行動に少し驚いたが差し出されたスプーンをしっかりくわえた。うん、やっぱり美味しい。でもね、

「そうじゃなくて、」

「グリーンを、」

食べたいんだよ。
彼の名前を強調して言うと顔が赤く染まっていく。
エプロンの間から服をまくりあげ、手を彼の横腹に這わすとビクリと肩が揺れる。
目を宙にさ迷わせ何か考えてからグリーンが口を開いた。
「べ、ベッドで……」
また意外だ。「何すんだ!」とキレられるかと思っていた。でもね、君がそこまで折れてくれても
「待てない。」

「誰か来たらどーすんだ。」

「居留守すればいいじゃない。」
「っ……!そうじゃなくて、」

言い淀む彼が言いたいことなんて大体想像に固くないんだけど、
どうせ声が外に漏れるのを気にしているんだろうが、
むしろ外に聞こえれば良いのに。そうすれば僕のものだと解って貰えるのに。

彼は恥ずかしがって最後まで言えずにいたためそれに甘えさせて貰う。
「最後まで言わないと鈍感だから解らないよ。」

「嘘吐け」

彼の後口に片腕を動員し、片腕でズボンを下着とまとめて降ろす。本当に今日は大人しい。
下まで降ろすと自分から後は脱いだ。どうしたのかと顔を覗き込もうとすると逸らされる視線。
代わりにグリーンは僕に体を預ける。
驚きで手が止まっていたが、奥へと進め、空いた手で胸板をまさぐる。
「……っふ、んぅ」
くぐもった声がきこえだす。顔は見えないが、耳が真っ赤に上気しており、赤らんでいることは容易に理解できる。
最後まで入れて、中を引っ掻き回すと少し背中を仰け反らせ捩った。指の侵入を許した場所が締め付けてくる。
ゆっくりと後ろに倒れ、グリーンを脚に乗せる。

しばらくくぐもった声しか聞こえていなかったが、奥のある一点を突くと矯声をあげる。高く短く、まるで女の子のような、
そこに重点的に当てると声を抑えることも出来ないらしく、哭きまくる。あまりにいとおしくて首に証をつける。
痛みに眉を潜めながらも恍惚とした表情がひどく扇情的でそそられる一方だ。
「ひゃ、あ、あ、あああっん!」
「そんなに鳴いたら人来ちゃうよ?」
前立腺を刺激するのを止めずに言うと泣きそうになりながら
「おま、えのせいっ、だ、ぁん!」と途切れ途切れに訴えてくる。
「止めないくせに?」

「それ、はっ…!」



情事の後に思考が働いてないグリーンに再度問いただす。
言葉責めに後ろも前も口だって散々攻め抜いたから
そうすれば、喋るかな?なんて。
「…何で素直なの?」

するとボケっとした気の緩んだ顔が自分を捉える。焦点は意外と合っていて、視線と視線が絡み合う。
しばらく絡め、理性が再度ぶちきれそうになったときグリーンが白状した。

「プレゼント…」

「?」
クリスマスでもないのに?まあ、クリスマスに性夜をかけたあのギャグではないだろうけど、っていうか今昼だし。
訳が解らないと表情で訴えると盛大な溜め息をつかれた。

「今日、お前の、誕生日!!だろうがっ!」
指を指しながら怒り気味な大声で指摘される。眼は潤んでるけど。

ポカンとしていると彼は言葉を続けた。

「去年も、一昨年も誕生日に帰って来ねーし!この時期忙しくて会いにもいけねーし、なんの準備も出来てないから…」

お前のワガママだけでも聴いてやろうって

徐々に元気をなくした?いや、恥ずかしがってるんだろう。
俯いて顔を赤くしている彼が可愛くて、いとおしくて堪らない。

思わず、抱き締めると腰を抑えて呻かれる。
「可愛い」
呟くと彼は拗ねた表情になったが、彼バカなんだろう。そんな表情も愛しさしか感じられない。
「誕生日プレゼントなら、もう一回ヤらせて貰おうかな」
低い声で耳元で囁くと「調子にのんな!」と白濁まみれの愛しいライバルに起こられてしまった。


最高のプレゼントをありがとう。



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