渇く激情



ぬるいっつか何やってるか解らんけど、ゴグリRー18です。





「っは、……あぅ…」

「痛い?」

ごめん、一人で気持ち良くなってた。そう言ってレッドは動きを止め、俺の頬を撫でた。
レッドが好きだ。
この世で一番好きなレッド。
その優しく撫でる手も、慈しむような瞳も漆を塗ったような髪もお前のグロテスクな秘部も愛情も他者との距離感も、何もかもに置いてレッドが好きだ。レッドのすべてが好きだ。
だが、
俺はどうやらかなりの変態らしい。
その優しい手付きも、労りも、全てが俺を好きだからの行為で、優しさで俺を包んでくれるのに、俺は「物足りない」と感じていた。



「はっ、ぃた、ぅあああ、っあ、んっ!」

「痛い?なのに悦んでるンスか。」

変態。
痛いかと同じ問い掛けでも、人でだいぶ変わる。レッドは動きを止めたが、今後ろから俺を突いている奴の動きは一層激しくなるばかり。
楽しそうに先輩である俺を犯す。いや、コレは和姦だから犯すという表現は間違いだ。
強姦じみた和姦なのだ。俺にはレッドがいるにも関わらず、後輩と肉体関係を持っている。ゴメン、レッド。俺、すっげぇ浅ましい人間なんだ。快感欲しさに後輩と関係持って。でも、もし俺がコレと同じ行為をレッドに求めて、気持ち悪がられたら、考えただけでゾッとした。レッドのいない世界なんて想像できなくて目の前が真っ暗になる。
そうして映る現実。

「いや、だっ、ぁ、っんぅ…!あああぁぁぁああ!!」

「下の口は素直なのに、」

徐々に高まっていく俺に対して言葉でなぶりながら仕上げだと言わん勢いでイイトコロを突いてくる。
これがどうしようもなく、良かった。
俺がイッた後にゴールドも中に欲を吐き出す。

そこに、狙い済ましたかのようなタイミングで電子音を響かせる携帯。俺の携帯だ。しかも、この着信音は恋人からのものだ。あがる息を潜め携帯を手にとる。

「出るンスか?」

こんな状態なのに、そう言いながら腰をスルリと撫でられると過剰なまでに跳ねる体。吐息も荒くなる。
それでも俺は携帯を置かなかった。この着信音を聞いてしまうとどうしてもレッドの声が聞きたくなるのだ。
俺の様子をゴールドは鼻で笑い、俺の腰から手を離した。無様な俺を嘲笑するように。ソレにすらゾクリと感じる。ああ、浅ましい。

「レッド?」

『……遅いよ。』

むぅっとした口調で不平を言われる。きっとポケギア越しに頬を膨らませているのだろう。愛おしい。

「悪かったって。で、何か用かよ?」

『グリーンの声が聞きたくなっただけだけど何か?』

当然だろ悪いかと言わんとしている口振り、聞いた途端に顔に熱が集中する。
俺がレッドを愛しているように、レッドも俺を愛している。そして恥ずかしげもなくダイレクトにぶつけてくる。たまらなく嬉しい。
言葉を返そうと口を開いた時だった。
繋がったまんまだったゴールドが抽挿を再開した。

「んぁっ………」

思わず小さく喘ぐ。ヤバい、レッドに聞こえたかも、ヤバい。焦るばかりの俺にゴールドが小さく耳打ちした。

「たってますよ、ソコ。」

言われて見ると、本当に自身がゆるゆると立ち上がっていて、自分の淫乱具合に目眩がした。焦ってたてたのか、俺は。レッドにバレそうだと言うのに興奮したのか。
レッド、
レッドは、俺が淫乱で激しくして欲しいばかりにゴールドと体を重ねてると知ったらどうするだろうか。

「また硬くなった。」

耳元で鼻から息を漏らすような声に体が震える。

『……グリーン?いきなり黙るなよ、』

「だって、おまえが、恥ずかし、ことっ言うからっ……」

律動を再開したゴールドに揺さぶられる。なんとか最初の喘ぎは聞こえてなかったらしい。
けれど、返事をしている間にも律動を止める気はないらしく、声が途切れ途切れになる。電話の向こうにはレッドがいると言うのに。喘ぐ声が聞こえてしまったらどうしよう。そう考えたらまた自身がかたくなるのが解った。ゴールドが息だけで笑う。

『なんかさっきからグリーンシてる時みたい。』

レッドが何気なく言った言葉に血の気がひく。レッドは、レッドは「みたい」と言った。つまり、レッドは俺が他の誰かと体を重ねてるなんて考えていないのだ。

ゴールドを手を挙げて制す。その途端にゴールドも律動をピタリとやめて俺をみた。俺が首を横に振ると、何ともないかのようにズルリと俺から杭を抜く。
そして立ち上がるとそのまま、トイレに向かっていった。
ゴールドが扉の奥に消えてくのを見て大きく息を吐いた。

「わりっ、さっき全力疾走したから、」

『ジムトレから逃げてたの?』

「わりーかよ」

ゴロリと寝返りを打つ、足元でシーツの擦れる音がした。




そんなわけないけれど。





◆◇◆
お馴染みぶったぎり!




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