俺達の日(日立さんへ!)



グリーンの魅力が留まるところを知らないのは既に知れた事実。トキワ市民からの支持だって比例してる。
まあ、つまり選挙戦に出ても勝てちゃいそうなグリーンは最年少チャンプだし最後の砦とか言われちゃう強さだし博士の孫だし色んな称号を持つ分忙しいわけだ。

別に妬いちゃないよ、ちょっと不服なだけさ。妬いてないったら妬いてない。別に多忙を理由に会うのを断られたとか気にしてないし。
だって、俺はグリーンの周りの取り巻き共とは違う身分だ。唯一の場所が俺のもの。
ライバルで親友で幼馴染み、これは最近現れた後輩にもとっては変われない場所。
それに、僕たちは想いが通じあった運命の仲だ。
だから妬くなんてそんな、してるわけない。

少し、ムキになっている自分に気づいて深呼吸をする。肺の中に懐かしみや恋しさを含んだ馴染んだ空気が流れ込んできて落ち着く。更に手に持っていた布に顔を沈めれば、彼のモノとわかる匂いに埋め尽くされる。まるで、彼との情交を思わせる匂いに俺は全ての醜い感情を成仏させた。
あまりの幸せに自分まで昇天しそうになったときに響く叫び声。

「わああああああああああああああああああ何して、何してやがるレッドおおおおおおおおおっ!」


なぜいるんだ。マイスウィートハニー。


「あれ、仕事は?」

顔を真っ赤にしながら大股で近づいてくる。そして伸ばされた手から布を奪われないように遠ざける。

「返せよ!何持ってやがる、つか何してやがった!」

布団の上でグリーンの腕から手中のものを死守する。聞いただけなら、俺が死守しているものを布団や枕だと思うことだろう。だが残念、違うんだな。俺が手にしているのは、

「何って、グリーンのおパンツ。グリーンの精液臭がいい匂いだしてるね。」

目の前でまた嗅いで見せれば、オクタンかってくらいに顔を真っ赤にさせてグリーンが俺からパンツを取り返そうと躍起になる。ああもう可愛い。

まあ、グリーンも俺がパンツを嗅いでるだけなら多分ひいただけだろう。つまり、俺の嗅ぎ方に問題があったわけだ。解説してやれば、パンツひっくり返して内側嗅いでた。オーケー?
グリーンのが直に擦れるところの匂いをかげたあげく体温を上昇させて恥ずかしがるんだから俺得な行為としてパンツの内側を嗅ぐ行為を記憶した。
あまりにわあわあと騒ぐグリーンもモチロン大好きなんだが、多分これ以上違う反応が見れないことに気がつく。いや、いいんだけど次のアクションが拝めるのは俺の手から宝物が失われるときだろう。それは頂けないし、多分暫く口を利いて貰えなくなる。

ならば…

なんて次の手段に出ようとしたところで、グリーンが俺に言うでもなく愚痴をこぼした。

「せっかく仕事後回しにして帰ってきたのに何なんだよ!」

今、彼は、グリーンは、何と言った?
仕事を後回し?いや、それより、この言い振り、俺の為に帰ってきたと言っても遜色ないよな、

「えっ、グリーン俺のために……?」

「わりぃかよ」

堂々と、しかし、顔を少し赤らめながら言う表情にジワジワと感動が押し寄せる。嘘だろだって、「俺と共にセイヤを過ごそう?」って誘ったときは「うるせぇ、俺の予定は仕事で埋まってんだよバカレッド」なんて突っぱねられたのに!悔しくてグリーンのおパンツで堪え忍んでいたのに!
あまりの衝撃となるほどの喜びに、気づけばパンツは手から落ちていた。

「言っとくがコレが、俺からのクリスマスプレゼントだ。」

文句は言わせねぇから。なんて少し罪悪感を感じているらしいが、文句なんて有るわけない。
「充分だよ、ありがとう」と言って腰を抱き寄せる。
すると、グリーンはきっと俺が言っていたセイヤをちゃんと理解していたのだろう。

「ソレで?お前は何をくれんだよ?」

なんて、わざとらしく唇を端正な指先で撫でながら聞いてくる。

「何って、今日は恋人達の性夜だぞ、決まってる。」

「おいレッド。お前言ってることがおっさんセンスだぞ」

ベッドに抵抗なく引き倒されたグリーンに冷静にツッコミを入れられた。しかもその後、盛大なわざとらしい溜め息まで付いてきた。そして、ニィッと誘うような笑みを浮かべる。

「仕方ねーな。今日だけはお前に大人しく挿れさせてやる」

「………なら、仕方ない。俺は特大マグナムを、」

いやだからさっきからお前変態くせぇんだよ、なんてグリーンが言いそうなセリフ、言われる前に唇を塞いでやった。

メリーレグリマス!
今日は俺たちの日!


end

メリーレグリマス!そして日立さん100000hitおめでとうございました!
グリーンさん、いけ、めん……?




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