真逆に居座るとある住人 | ナノ


「私、本で読んだんです」
そう言った時、マダム・ポンフリーと呼ばれた人は気絶しそうになった。
慌ててダンブルドアと**が支えると、あぁ…すみません、大丈夫ですわ…でも、なんて事かしら…と譫言(うわごと)のように呟いた。
しかし、ダンブルドアはいたって冷静だった。
「では、その本をどこで見つけたか、教えてくれるかの?」
「はい。というか、私はこことは別の世界―いや、みなさんが言うマグルの世界ではなくて、本当に全くの別世界から来たみたいです」
それから出来るだけ落ち着いて、ゆっくり話した。
自分がいた世界ではここでの出来事が物語として出版されている事、それが大人気で映画されている事、完結は7巻のようだけど、自分は5巻までしか読めていない事。
わかりやすく、でも物語の核心には絶対に触れないように気をつけて話した。
核心に触れないようにしている事はダンブルドアもわかったらしく、マダム・ポンフリーが質問をしようとすれば、絶対に止めた。
「そうじゃったのか…。沢山話させてすまんかったのう。ゆっくり休みなさい。マダム・ポンフリー、この子が落ち着いたらミネルバを呼んでわしのところに連れて来るように言ってくれるかの」
「わかりましたわ、ダンブルドア。…でも、こんな事があるなんて、信じられませんわ」
マダム・ポンフリーが訝しげに言った。
「あぁ、わしも少しは信じがたい。じゃが、この子が一生懸命話してくれたのじゃ。疑う事も無かろう?」
「…そうですわね。ミネルバには先生からお話しを?」
「そうじゃな。じゃあわしは戻るぞ」
そう言って少し歩くと、何かを急に思い出しかのか、急いでダンブルドアが戻ってきた。
「あぁ!なんて事じゃ!わしは一番大事な事を聞くのを忘れておった!」
急に叫ぶから何事かと思った。
「本当に最近は大事な事を忘れる事が多くてのう。年を取るのは真に嫌な事じゃ…。それで、君の名前は」
あぁ、と**が納得したように言うと、笑顔で言った。
「** **です。ファーストネームは**」
「そうか、**。ゆっくりお休み」
そう言ってダンブルドアは優しい笑顔を向けて歩いていった。


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