ロンド | ナノ


あれだけ真っ白だった校庭にも徐々に春が訪れ始めたのか、ちらほらと緑が見て取れた。
校内はといえば、つい二日程前にイースター休暇に入ったばかりで普段より騒がしい。
珍しくスリザリン寮の談話室の人口密度が高くしょうがないので図書館で読書をしていたら**がやって来た。
彼女は笑顔で僕に話し掛ける。
「スネイプくん、今日はお天気もいいし、外に行かない?」
「そうだな、今日は外も暖かそうだ」

ホグズミートで僕が手を繋ごうと言ってからも僕達の関係が気まずくなる事はなかった。
というよりも、僕は**の事を意識してしまって前のように話せなくなってしまったにも関わらず、彼女は前と同じように、普段に接してくれたのだ。
**が僕の事をどう思っているのかは、知らない。
いや、聞くチャンスなどいくらでもあったが情けなくも怖くて聞けなかった。
でも正直、このままで良いと思っている僕も居る訳で。
なんとも落ち着かない気持ちで過ごしていた。

いつもと同じ木陰でいつもと同じように二人で並んで腰掛ける。
しばらく互いに読み耽っていたが、気が付くと右肩に重みがあった。
見てみると**が僕の肩に寄り掛かりながら眠っていた。
顔にかかっている髪の毛をよけてやる。
僕は少し緊張しながらもそのまま本を読み続けた。

ここに僕達以外の人は滅多に来ないはずなのに、人の声が聞こえ始めた。
聞き覚えのある男達の声だ。
顔をあげると忌まわしきポッターとブラックだった。
僕が訝し気に見ていると向こうもこちらに気付いたようで小声で相談し始めたので僕はポケットの中の杖を確認して身構える。
「スネイプ、こっちに来いよ!お前に話がある」
奴らは馬鹿にした様子で僕に言った。
挑発に乗る僕ではないが、もし動かなかった時に隣にいる**に魔法が当たったら大変なので僕は行くことにした。
彼女に防音呪文と保護呪文をかけてから。




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