ロンド | ナノ


たまには外で読書でもしよう、と僕は湖に近い潅木に腰掛けていた。
本に夢中になった頃、こちらに向かう足音が聞こえたが、場所を譲る気は無かった。
「おいスネイプ」
声の方を向くと、ブラックがこちらを睨んでいた。
いつもより機嫌が悪い様だ。
とばっちりを受けては堪らないので、城へ戻ろうとすると、勢いよく木に押さえ付けられた。
「逃げるのか」
「何なんだ」
今僕を睨みつけているブラックはいつもの奴ではないようだった。
狂犬のような目で僕を睨みつけていたので、穴が開くのではないかと思ってしまう程だ。
「僕を辱めたいなら早くそうすれば良い」
ブラックが何も言わないので諦めたように吐き捨てると、思い切り右頬を殴られた。
「だから何だっていうんだ!」
叫びながらブラックを見ると、奴は怒りでわなわなと震えていた。
「お前が**と付き合ってるってのは本当なのか」
まさかあの女達がブラックに伝えていたとは。
面倒な事になった、とため息をつくと、またブラックに一発殴られた。
「どうなんだ!」
「…あぁ本当だ」
肯定すれば、さっき以上に殴られるだろうと覚悟をしていたが、ブラックは殴ってこなかった。
「なんでお前なんだよ」
「…はぁ」
「俺はずっと**が好きなんだぞ。でも**は相手にもしてくれない、揚句の果てにはお前と付き合うか!」
それがなんだっていうんだ、僕には関係無い。
普段の馬鹿な魔法の乱用もそうだったが、今回の話で僕を殴るのは筋違いではないか。
さすがにこんな事を今のブラックに言えばどうなるかわかった物では無いので黙っていた。
「なんだ、余裕かスネイプ」
黙っていたのをどういう風に捉えられたかは分からなかったが、思い切り一発殴ると覚えてろよ、と一言残し、ブラックは城の方へ歩いていった。
全く面倒な事になってしまった。
自分が咄嗟にあんな事を言ってしまったので結局は自業自得な訳だが。
ブラックが**に今日の事を話さなければいいのに。
ぼんやりとそんな事を考えながら城へ戻った。




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