short | ナノ


わたしはすごくどきどきしていた。
ママはとても魔法が上手だけれど、パパはマグルなわたし。
入学式であなたには魔法のセンスがありません、なんていわれたらどうしよう。
すてきなお友達ができるかしら。
いろんなことを考えていたらもうロンドンに着いてしまった。

「ママ、この壁、本当に通りぬけられるの…?」
「もちろん!」
さぁ行きなさい、とママは優しく背中を押した。
目を閉じて思い切って壁に走ってみる。
ぶつかりませんように、ぶつかりませんように――
ふ、と目を開けると目の前には紅色の蒸気機関車が。
「魔法使いも本当に汽車で移動するのね」
「「君、1年生かい?」」
声の方を向いて見れば、背の低めな赤毛の男の子が二人。
しかも同じ顔の。
「僕はフレッドで」
「僕はジョージ」
双子さ!と同じ顔のフレッドとジョージは教えてくれた。
わたしは**・**、と小さい声で答えた。
「で、**は1年生なの?」
こくん、と頷くと二人は僕たちもなんだ、と言った。
「**、一人だろう?」
「同じコンパートメントに乗ろう!」この二人と一緒なら、楽しい学校生活が送れる、なんとなくそう思った。
「うん!」
その時、あら、と後ろからママ。
「もうお友達ができたのね」
「「お嬢さんは僕たちがお守りします!」」
「あら、頼もしいこと。よかったわね**」
わたしの顔は真っ赤になっていると思う。
パパがこれを聞いたらなんていうかしら、と思った。

笛が鳴った。
「急いで!**をよろしくね、ナイトさんたち」
「「もちろん!」」
ママまでそんなことをいうから、もう!と言えば、フレッドとジョージはわたしの荷物を持ってくれた。

「ここのコンパートメントでいいと思うかい?相棒」
「あぁ、いいんじゃないか」
「「どうぞ**!」」
とわたしを席に座らせてくれる。こんな扱いなれてないからすごく緊張してしまう。
「僕たちの家族はみんな魔法使いで」
「揃いも揃ってみんな赤毛なんだ」
9人家族なのに!と二人は楽しそうに言った。
「わたしはママが魔女でパパがマグル。兄弟はいないから、わたし不安で…」
どこまでもネガティブでおしゃべりが上手じゃないわたし。
もっと明るくしゃべれないかしら、二人みたいに!
「そんなの心配することないさ」
「「僕たちが一緒なんだから!!」」
ふふ、と思わず笑ってしまった。
二人といると自然と笑ってしまうみたいね。
不安なんて吹き飛んで、学校生活が楽しみになってきた!

(なぁ?やっぱり笑ったら可愛いだろ)
(あぁ、さすが僕の相棒だぜ)

こんにちは、僕らのプリンセス!


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