short | ナノ


今日は星空が綺麗だ―
誰かが言っていたのを思い出し、涙を堪えて天文台へのぼって行く。
視界が一気に開けるとそこには満天の星空。
秋から冬になってきてこの時間は少し寒いけど、さっき見た光景に比べれば、平気。
ローブにくるまって体育座りをする。
「何よ、パンジーとべたべたしちゃって」
あぁ、また涙が出てきてしまいそう。

小さい頃からドラコと一緒にいるのも、私。
よくお家に遊びに行ってドラコのお父様、お母様とも仲が良いのも私。
初めてホグワーツまで一緒に行ったのも、私。
ドラコの世話をやいてあげてるのも、私。
全部私なのに…

「なんでよ、バカドラコ、ハゲちゃえ」
「誰かバカでハゲだって」
振り向けば半分息を切らしたドラコ。
目を合わせたら絶対泣いてしまう確信があった私は、顔を埋めた。
「おい!無視するな!なんで僕がここまで来たのかわからないのか?」
「どうせパンジーと星空でも見るため、でしょ」
言い終わるか終わらないかのうちに、私はドラコにぐい、と顔を正面に向かされた。
「**の顔が見えなかったからに決まっているだろう」
もう、涙は止まらなかった。
「お、おい!なんで泣くんだ!」
「だ、て、ドラコ、パンジーとばっかり、だから、」
不安だったの。
そう言えばドラコは私をおもいっきり抱きしめてくれた。
「…すまなかった。」

「もう、パンジーとべたべたしない?」
「あぁ」
「もう、私をほうっておかない?」
「あぁ」
「もう、」
「わかってるから、僕には本当にお前だけだよ、**」
「…ドラコらしくない」
そう言えば、僕が本気で言っているのに…!と必死になるドラコが可愛くて。
もうちょっと仕返しにいじめたかったけど二人きりの時間が勿体からやめておこう。



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