short | ナノ


「お前!」
急に肩を掴まれ、お前、なんて言われたものだから、きっと私は凄く嫌な顔をしていたに違いない。
振り向けばスリザリンのローブを着た黒髪の男の子がいた。
走って追い掛けてきたのか、若干息が上がっている。
「なぁに?」
「これ、お前のだろ」
差し出されたそれは、私の腕の中にあるはずの本。
腕の中と彼が差し出した本を何度も見比べてしまった。
「嘘、あらごめんなさい!」
私が本を受け取ると、彼は別に、と言って一歩後ろに下がった。
お礼を言ってから教室に向かおうとすると、スリザリンローブの子に引き止められた。
「なぁに、まだ何か用事?」
「お前、**だろ」
「そうだけど」
なんで君が私の名前知ってるの?
私は思わず首を傾げる。
「僕は、僕は…セブルス・スネイプだ」
ご丁寧に名乗られてしまった。
スリザリンローブの子、もといスネイプくんは私にどうしろというんだろう。
「もし、**が良ければ、今度都合のいい時にでもその本を貸してくれないか」
「これ?いいけど…はい」
私がさっきの本を差し出すと、今じゃない、と言われてしまった。
「**が都合のいい時にふくろうを飛ばしてくれないか。僕が取りに行くから」
「わかったわ。じゃあ、また今度」
手を振って別れようとしたらスネイプくんは手を振り返さずにそっぽを向いてしまった。
なんだか変な子!


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