short | ナノ


*7巻の内容に触れています。















「お願いよ、フレッド。ここを離れて」
黙って隣で俯いていたと思えば、急にこんな事を言い出した**にびっくりした。
「なんで?また夢を見たの?」
「…そう。とても恐ろしい夢。あなたはここにいては駄目なの」
彼女は夢見だ。
夢で未来を見る事が出来る人。
ヴォルデモートが復活した今、彼女が言う事にはいつも以上の信憑性があった。
「でも君だけ残して行く訳にはいかないさ」
**を宥めるように、頭を撫でてあげながら言う。
「それじゃあ私も連れていって。とにかくあなたはここにいてはいけないのよ、フレッド」
僕を見た**の目には涙の膜が張っていた。
「わかった。ビルとフラーのところに行けないか聞いてみるよ。だからお願い、泣かないで」
安堵の表情になった彼女を僕は優しく抱きしめる。
でもそれは駄目なんだ。
弟やハリー、グレンジャーが頑張っている今、僕だけが逃げる訳にはいかない。
三人だけじゃない、他の人だって僕と同じくらい危険な状況なはずだ。
それにきっと、僕が―僕が、死、ななければ…他の誰かが死ぬ事になるだろう。
それはもっと嫌だ。
だから僕は逃げる訳にはいかないのさ。
「僕はずっと君の側にいるから」
(例え心の中だろうと、ね)



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