short | ナノ


*若干7巻の内容に触れています。















「ドラコ、私達これからどうなるの?」
それを聞いた瞬間、情けない事に僕は何も言えなくなった。
「ねぇ、いつまで一緒にいられる、かな」
彼女が見ているのは空(くう)だった。
「そんな事を今聞くな」
必死に捩り出した言葉はこんなもので、しかもこの声はまるで大型犬が唸る様だった。
「今じゃなかったら何時聞けばいいっていうの!」
彼女は急にヒステリックになった。が、今度はその瞳に僕が映っていた。
「あなたはいつもそうやって自分が背負っているものを私に共有させてくれないじゃない!先も見えないのにあなたまで見えなくなったら、私」
どうすればいいの。
段々と静かに、ぽつりぽつりと言葉を紡ぐようにして彼女は話す。
また君が空を見つめないように、君の瞳に僕だけが映るように、有りもしない勇気を振り絞って僕は君と向き合う。
「これだけは約束する、僕は君の前からいなくならない。例え何が起きようと」
涙をうっすら浮かべる彼女の瞳には僕がちゃんと映っていた。
その顔には驚きの表情が。
「本当?」
「あぁ、絶対、約束する。帝王が復活しようと、ポッターがいなくなろうと」
僕は君の側に居よう。
「だから**も、」
涙を浮かべたまま君がくしゃりと笑うものだから、目の端からは一つ雫が落ちた。
そして僕は抱きしめる。
君がどこへも行かないように、僕が君から離れないように。

僕が君の前から居なくなる事なんて、出来るはずがないのだけれど。



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