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直永「……は?」

時が止まったのではないかという錯覚。思考が追い付かず、身体も急に重くなったように動きが鈍る。
殺される…?俺、が…?

石野田「言っておくけど、適当に言ってるわけじゃないからね。…勿論、コロシアイが起きないのが一番だ。でも、もし、万が一それが起こってしまった場合、或くんはかなり狙われやすくなる」

直永「な、なんで…」

石野田「そりゃあ…、って、またしても顔真っ青だよ?…まあ、殺されるなんて言われたら当然か。でも、私は或くんにも皆にも死んでほしくないんだよ。だから、コロシアイを防げるならそれに越したことはない。
…で、なんで或くんが殺されるか、って話だけど、「コロシアイ合宿」は、ただ誰かを殺せばいいって訳じゃない。そうだよね」

直永「…そうですね。誰かを殺したら、学級裁判を乗り越えなくちゃいけない。」

石野田「うん、そう。それで、殺しを行ったクロからしたら、学級裁判で自分のトリックを見破られる訳にはいかない。或くんがクロだとしたら、どうする?」

直永「どうする…、漠然とした質問ですけど…、そうですね、自分のトリックが見破られそうな人を殺しのターゲットにする…とか」

石野田「そうだよね。…そこで、皆の前で自分はダンガンロンパに詳しいですよなんてアピールをした日には…」



直永「……あ、俺」

石野田「気づいた?直永くんのあの動きは、個人的には結構悪手だと思ってる」

直永「お…俺…、死ぬ、んですか…?」

石野田先輩が言いたかったことを理解するのと同時に、背筋が凍りつく。確かに、クロからしてみれば、俺の存在は邪魔で仕方ないことだろう。なら、いっそ消してしまえばいい、そう思うこともまた、自然なことなのかもしれない。

石野田「さっきも言ったけど、私は或くんにも他の皆にも、死んでほしくないんだよ。だから、一つ提案がある。



今日の夜、私の部屋でボードゲーム会を開こうと思うんだ」

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