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場所は変わって、二階へ続く階段の裏側。完璧という訳ではないが、わざわざここに人が来ることはほぼなく、二人きりの状態だ。
…あれ、今の状態、殺しにぴったりな状況では?
俺と対峙する石野田先輩からは、特に表情が読み取れない。…俺、ここで、死ぬ…?
石野田「…ああ、ごめんごめん。一応言っておくけど、或くんを殺すつもりなんてないから」
直永「え…?」
石野田先輩はそう言って両手をひらひらと上げる。その表情からは、笑みが溢れている。
石野田「こんな人気のないところに呼び出して、殺されるかもしれないって思った?顔、真っ青だよ?大丈夫大丈夫、私はそんなことしないよ」
直永「は、はあ…。それで、要件は何ですか?」
石野田「あーうん、…或くん、君は…」
再び、石野田先輩から笑顔が消える。
石野田「このコロシアイ合宿において、早々に殺される可能性が高い」
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