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鈴羅木「そりゃあ表面上協力しようとすることは出来るだろうさね、でも、腹の奥では叶えたい願いがある人だって、いるんじゃあないのかい?」

須藤「でも…、叶えたい願いがあったとしても、人を殺してまで、その権利を得ようとはしないんじゃないですか…?し、しかも私たちは…」

鈴羅木「見知った仲だから殺すなんてあり得ない、とでも言いたいのかね?残念だが、知ってる人間だろうが、殺す人は殺すさ。自分の願いのためなら、他人を犠牲にすることなんて、容易いからね」

須藤「……うぅ」

桃田「ち、ちょっと、鈴羅木先輩!さすがに言い過ぎよ!莉子ちゃんだって、もう泣きそうじゃない…!」

門音「そうだよ雪人くん!どうしちゃったの!?」

鈴羅木「門音…」

直永「(ん?鈴羅木先輩…?)」

一瞬、ほんの一瞬だけ見せた、鈴羅木先輩の、悲しみ、悔しさ、諦め…。
そんなものを詰め込んだような何とも形容し難い表情。



鈴羅木「…俺も、お前みたいに、人を信じて、真っ直ぐ歩めたら…ね」



門音「え?何、雪人くん!?何か言った?」

鈴羅木「……。」

門音「あっ、待ってよ雪人くん!」

何かぽつりと呟き、鈴羅木先輩が食堂を出、それを門音先輩が追いかける。

笠「…全く、相変わらずだなあ、鈴羅木先輩は。ま、先輩に関しては俺に案があるから任せてくれよ。」

その後は、脱出の方法や有力な情報を探そうということで、各自解散となった。…正直、脱出の見込みは無いに等しいが、気持ちだけは、皆幾分か上向きになっている。それだけでも笠先輩の行為は有意義なものだ。

俺も、ぼちぼち食堂から離れようと出口に向かい歩を進めると

石野田「…或くん、ちょっといいかな」

石野田先輩に声をかけられた。

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