14
次の日
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ〜!
さぁて、今日も張り切っていきましょう〜!』
直永「うわっ!!」
朝から不快なアナウンスによって目が覚めた。
俺がここに来た初日にテレビだと思っていたモニターから、モノクマの姿が現れ、朝7時を告げる。
直永「…やっぱり、現実、なんだな…」
もしかしたら昨日の出来事は全て夢で、目が覚めたら普通の合宿が再開している。そんな淡い希望を昨夜ほんの少し抱いたが、その希望はあっさり踏みにじられ、相も変わらず窓には分厚い鉄板が貼り付けられている。
直永「今は考えても仕方ない、よな…。とりあえず食堂に行こう…」
身支度をそれなりに整え、食堂へ向かう。
時刻は8時数分前だったが、既に食堂には数名が集まっていた。
石野田先輩、喃渡先輩、桃田先輩、羽玖先輩、波風くん、平、須藤さん。
俺より前に食堂に来ている彼らは、皆真面目な分類に入る。彼らが時間通りに食堂に現れなかったとしたら、何かあったとみて間違いないだろう。
…俺の友人たちは誰一人として来て来ていないことに関しては、あえて言及しないことにする。
そこから時刻は8時を回り、15分ほど過ぎたところで、一人を除き全員が食堂に集まった。
その一人に対し、皆が不安を募らせ、一度様子を見に行こうか、という話になった頃…
笠「いやー、ごめんごめん。俺が最後になっちゃったかー」
最後の一人、笠先輩が食堂に現れた。
今園「揺先輩…。大丈夫なんですか?」
笠「ん?いやー、皆には心配かけたけど、ご覧の通り、俺、完全復活!!」
波風「よ、よかったです…」
石野田「心配したんだよー。でもよかったよかった」
波風くんの言葉が笠先輩に届いたのか、はたまた別の要因か、とにかく、昨日精神的にひどく疲弊していた笠先輩は、いつもの元気な姿に戻り、俺たちの前に再び姿を現した。
食堂はどことなく和やかな雰囲気に包まれ、絶望的な状況に一筋の光が指したように感じられた。
…だが、そんなものは幻だったと、俺たちは嫌でも気づかされる。
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