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食堂の空いたテーブル席に適当に腰掛け、早速喃渡先輩作のオムライスを口に運ぶ。
直永「なにこれ…、うっっっっま!!!」
程よく半熟の卵がチキンライスと絶妙に絡み合い、更に空腹という最高のスパイスによって、オムライスを口に運ぶ手が止まらなくなる。
直永「ほんとに美味い…。なんなんだあの人…」
喃渡先輩の料理スキルの高さに驚きながらも箸を進めていると、
最上「……。」
気がつくと、俺の向かいの席に最上が座っていた。
直永「あれ?もがみんいつの間に?」
最上「…さっき。直永だ、と思って向かいに座ってみたけど、全く気づいてなかったね」
直永「悪い悪い。喃渡先輩にオムライス作ってもらったんだけど、あんまり美味しくて、食べるのに夢中になってたわ」
最上「…へー、そんなに美味しいの」
直永「おう!すっげー美味い!もがみんも食べる?」
スプーンで一口分オムライスを掬って、最上の方に差し出す。……所謂あーん状態だ。やってから気づいた…。
最上「…………。」
直永「ゴメンて!その「オムライスは確かに食べたいけどなんでお前にあーんされなきゃいかんのだ」とでも言いたげなゴミを見るような目、やめよう!?これは俺が悪いわな!!」
改めて、スプーンごと最上に渡す。
最上「…美味い」
直永「だよな!すごいよなー喃渡先輩。っていうかもがみんは冷凍パスタかよ」
最上「…食べれればなんでもいいし」
直永「ダメだぞ〜磔人くん!ちゃんとしたもの食べないと!」
最上「…オカンか」
門音「だから、今こそ皆で協力しなきゃいけないんだよ!そのためには、前部長である雪人くんの力が必要なんだってば〜!」
鈴羅木「何度も言ってるだろう?俺はもう幽霊なんだよ。幽霊が現世に関与するのはおかしい。解決ならお前たち人間でしてくれ。俺はもうこのサークルにおいて、いなくてもいい存在だからな」
門音「そんなこと言わないでよ!!」
俺たちとは少し離れた席で、鈴羅木先輩と門音先輩がなにやら言い合っているようだ。
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