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石野田「ま、皆がどう思ってるかは分からないけど、私は舞彩ちゃんの校則追加の案、悪くないと思うよ。割と合理的だと思う」

重い沈黙を破ったのは石野田先輩だった。この人はこういう場が膠着した状態で空気を変えていくのが上手い。

愛宕橋「う、うむ!舞彩くんの言い方はあまり感心しないが、そのルール自体はいいと思うぞ!大事なのは皆でひとつのルールを守ろうとすることじゃないのか?」

柿涅「まあ、いいと思いますよ。それを守るかどうかは個人次第だと思いますけど」

波風「ぼ、僕も、賛成です……」

それに続いて、続々と賛同者が出る。

直永「自分も賛成ですかね。いいルールだと思いますよ」

自分も賛成の意を伝える。普段の状況なら反対しただろうが、気心知れたサークルのメンバーとはいえ、「コロシアイ合宿」の最中だ。殺される危険は少ないに越したことはない。
……と、そこまで考えて、無意識にコロシアイに乗る人間がいるという前提で考えを進めていたことに気づく。こういった考えも疑心暗鬼の元だ。俺は頭を左右に振って無理やりその考えを中断させる。

結局、夜7時に再度ロビーに集合することになり、この場は一旦お開きとなった。特にすることもないので、自分の個室に戻り、適当に時間を潰すことにした。

「ダンガンロンパ……か」

本来なら楽しくなるはずだった合宿。それをモノクマに乗っ取られ、絶望渦巻く「コロシアイ合宿」へと変えられてしまった。一体誰が、何の目的で、そもそも超高校級はおろか高校生ですらない自分達が何故選ばれたのか。考えれば考えるほど疑問はつきない。



ぐううぅぅぅ



「……あ」

自分の腹の音で我にかえる。時計を見ると13時を回ったところだ。そりゃあ腹も鳴る。何か適当に作ろうと、調理室に向かうことにした。




調理室には、既に先客がいた。

直永「喃渡先輩。お疲れ様です」

喃渡「おお、直永か。」

喃渡先輩は慣れた手付きで何かを作っている。調理室には空腹を刺激するとてもいいにおいがする。

喃渡「昼飯でも作りにきたか。よかったら直永の分も作ってやろう」

直永「いやいやそんな、悪いですよ」

喃渡「直永、オムライスは嫌いか?」

直永「いいえ大好きです!!……あ」

喃渡「ふ、そんなに好きなら作ってやらない方が野暮というものだ。そこに座って待っているといい」

直永「す、すみません……」

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