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直永「……この校則、どうみてもダンガンロンパですね……」

やはりと言うべきか、俺たちがチェックした校則は、過去のダンガンロンパのそれとほとんど同じであった。

鈴羅木「やれやれ、モノクマのやつ、本気だねぇ」

平「こ、これから、一体どうなるんですか!?本当に、だ、誰かを殺さない限り、ここから出られないんですか!?」

最上「晶くん落ち着いて……。合宿は一週間なんだし、それを過ぎても俺らが戻らなかったら、心配する人がいるでしょ……。それまで待とうよ……」

平「……!そっか、そうですよね、一週間待てば、助かるんだ……!!」

羽玖「……水を差してすみませんけど、モノクマもそこまでバカじゃないと思うんですよね……。そこに関しては、何かしら手を打ってくると思うんですけど……」

平「そ、そんなぁ……」



桃田「……皆、今はいろいろ思うことがあると思うけど、一つ聞いてほしいの。提案なんだけど、『夜時間の個室からの出入りを禁ずる』というルールを加えたいわ。もちろん、校則と違って強制力はないわ。だからこそ、皆の協力が必要になる。どうかしら?」

桃田先輩が提案したのはルールの追加。要は、夜時間は個室から出るな、と。普通なら夜こそテンションが上がってくる俺はそれに異を唱えただろうが、「コロシアイ合宿」というこの状況では話が違う。

真狩「うーん……、必要なんすかね?そのルール」

桃田「ええ。こういう状況なら自衛は大切だと思うの。24時間殺されるかもしれないって怯えているよりは、口約束でも夜時間の間の安全を確保した方がいいと思わない?」

真狩「っ……!それって、先輩は、誰かが人を殺すと思ってるんすか!?」

桃田「そんなの分からないわよ。でも、もし何かあって誰かを殺すことになったら、力の弱い女性を狙うでしょう?そうなってから後悔しても遅いのよ」

真狩「何……なんすか……、先輩は、先輩は皆のことを信じてないんすか!?」

直永「おいっ!真狩!!」

桃田先輩に飛びかかろうとする真狩を何とかおさえる。小心者の真狩だ、今までだって叫びたくなるのを抑えていたのだろう。真狩の身体は震えていた。

桃田「……いいわ。この際だしはっきりと言う。私は正直、皆、特に男性陣を完全に信用してる訳じゃない。いつ殺されるかも分からない、そんな状態じゃろくに生活もできないでしょ。だから校則の追加を提案したのだけれど」



――いつ殺されるかも分からない。



桃田先輩の言葉に、場は静まり返る。そうだ、恐らく皆考えないようにしていただけで、今まさに、誰かが自分の命を狙っているかもしれないのだ。


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