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しばらくタブレットを触ってから、ロビーに戻ろうと個室を出ると

直永「おっ、響」

今園「或か」

今園と、ちょうど個室を出るタイミングが重なった。

今園「正直信じられん。俺らが、まさかあのダンガンロンパをやらされることになるとは」

直永「俺も。なんか現実味がないっていうか、足元がふわふわしてる感じ」

今園「何がヤバいって、モノクマの言葉が本当なら、ずっとここから出られないんだろ?ラブキュアが見れない……」


ラブキュア。日曜朝に放送している女児向けアニメだ。今園はこのラブキュアの大ファンで、毎週欠かさず見るのは勿論、録画して毎朝ラブキュアを見てから登校するというガチっぷりを見せている。

直永「……お前はなんか、いつも通りだな。ある意味安心したよ」

今園「まあ、実際焦ったりしてもどうしようもないしな。いつも通りでいたほうが、案外なんとかなると思う」

直永「響ってこんなにポジティブだっけ?」

今園「ポジティブっていうか、俺だってどうしていいか分からんけど、そのなかでいつも通りでいるっていう選択肢をとっただけ。これが正解かどうかは分からん」

直永「響……、お前、意外とちゃんと考えてんだな」

今園「おう。その言葉、或にだけは言われたくなかったんだけど。……ま、とにかくあれだ。ここからさっさと出て、帰ってラブキュアの鑑賞会やるぞ、同志」

直永「おうよ!!」

今の言葉は、今園なりの励ましの言葉だったのだろう。普段はほとんど人に労いの言葉などかけない今園からそう言われるなんて。よほど俺は疲れた顔でもしていたのだろうか。とにかく、友からの励ましの言葉は、俺を思った以上に元気づけてくれた。



程なくしてロビーに到着すると、既に半数以上はロビーに集まっていた。

石野田「けっこう人集まってきたし、君らもタブレット取りに行っておいでー」

板垣「あざっす、そんじゃあ行ってきます。あ、俺ら抜きでミーティング始めてていいからね!」

喃渡「ほら、行くぞ笠くん」

笠「うあー……、何でなんだよ……、どうして……」

よろよろと真っ直ぐ歩くことも儘ならなくなっている笠先輩を、板垣先輩と喃渡先輩が支えながら、3人は個室棟の方に消えていった。

波風「笠先輩、だ、大丈夫でしょうか……?」

愛宕橋「うむ……、今は板垣先輩と喃渡先輩に任せるしかないだろうな……」

桃田「……とにかく、3年生3名以外は全員揃ってるみたいだし、ミーティングを始めましょうか」

門音「このタブレット、なんかいろいろルールがかいてたよ〜!」

坂下「合宿でのルールみたいですね。皆で確認しましょうか」

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