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突然ですが、


※臨也視点
※静臨
※多分甘々





それは、何時ものように池袋に来ているところをシズちゃんのまるで犬のような嗅覚で見つけ出された俺が、逃げて逃げて散々逃げまくって結局路地裏で捕まった時に、起きた。


「好きだ」
「……は?」
「だから、好きだ」
「…え、ちょっと何突然どうしたのシズちゃん?頭打った?…いや違うなそれは俺だわ超痛いんだけど絶対たんこぶ出来たしコレ…、って違う話それた。何?腐ったものでも食べた?あまりのお金の無さについに拾い食い?」
「ちげぇ」
「じゃあ何?喧嘩が好きになったって事?うっわついに本当の喧嘩人形になったってワケ?こわいこわーい!」
「…おい、真面目に聞けよ」
「えー?俺がシズちゃんの話を真面目に聞いてた事あったっけ?てかさ、毎日喧嘩してるような俺らがそんなの無理に決まってるじゃ…」
「臨也!!」


その声に、ビクッと体が竦む。…如何しよう、シズちゃん、本気だ。

(……やだな、困ったな…)

逃げるにも後ろには壁だし前はシズちゃんだし、顔の横はシズちゃんの手があるし…って言うか腕つかまれて逃げられないし。
……如何しよう、これじゃ俺―――


「手前が好きだって言ってるのに何で聞こうとしないんだよ」
「………ねえシズちゃん頭は正常?君の目の前にいるのはあの憎き折原臨也だよ?染色体はXYの正真正銘の男だよ?分かってるの?」
「分かってるに決まってんだろ」
「分かってるのに?分かってないでしょ…だって俺と君は何時も喧嘩ばかりで、」
「余計な事言って話し逸らそうとすんな」
「………な、」
「俺が手前の事が好きだって事を、頭ごなしに否定すんな。…頼む、しないでくれ」


―――漸く、気付けたんだ。この気持ちに―――


…そう耳元で、顔を隠すように言われて。……俺の目の前でこんな弱った姿を堂々と見せるシズちゃんは、初めてで。

(………ああ、)

せっかく我慢、してたのに。
言わないって、決めてたのに。

こんな姿を見せられたら―――無理だ。


俺は恐る恐るシズちゃんの首に腕を回してそのままぎゅっと抱きついた。そうしたらそれに驚いたらしいシズちゃんが顔を上げて俺を見下ろしているのが分かった。…思わずその光景が想像出来て、クスッと笑ってしまった。


…これから言う事はぜーんぶシズちゃんのせいなんだから、……責任、とってよね?


「…臨也?」
「シズちゃんシズちゃん、あのね、」







(何で抱きついたかって?…こんな恥かしい台詞、真っ向から言えるのはシズちゃんぐらいだよ)






fin.


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染色体→螺旋状の遺伝子。男性はXY、女性はXXとなってます。
リハビリ用の短編でしたー。甘い…のかな…。






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