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私を愛して!


※甘々の静雄視点
※付き合ってる設定
※軽く下品です





俺が告白して、それを臨也受け入れて。それから付き合い始めて、今日で3ヶ月。

新宿にある臨也ん家の広い部屋の中。
臨也が俺の足の間に座り込み、それを俺が後ろから抱え込むようにして一緒にテレビを見る。といった、珍しくのんびりとしたひと時を過ごしていた。
最近お互い忙しく、なかなかゆっくりと会える日が少なかったから、なんつーか、嬉しい。
こんな時、こいつを好きで良かったな、と思う。


調度テレビで流れていた、海外で一時期人気だったらしいSF映画を見始めたは良いが、早々に腕の中のこいつは飽きてしまったようで欠伸をしたり、映画を見てる俺をじっと観察していた。
すると何を思ったのか、こいつの腹の前で組んだ俺の手をとり弄りだした。

俺はそれを視界に入れつつも、映画の続きが気になり、取りあえず放置して画面を見続けた。


そんな時、臨也がポツリと呟いた。


「シズちゃんってさ」
「…あ?」
「手、おっきいよねー」
「あー…まあ、手前よりはな」
「手がでかい人ってアソコもでかいって言うけど、本当かな?」
「ブフォッ!」


おま、なんつー事を…!思わず噴いちまったじゃねえか!


シズちゃん汚ーい、なんてケラケラ笑いながら言うこいつ。
一体誰のせいだ!と思いながらも、動揺した自分を誤魔化そうと黙った。気付かれてそうだが。
ちなみに、動揺させた元凶である臨也はニヤニヤしながら俺を見つめていた。この野郎…!


「お、おい臨也!」
「吃るなよシズちゃん。これぐらいで動揺するとか童貞くさいなぁ」
「…テメェ、ふざけてんのか、ああ?」


今のはイラッときた。つーかやっぱり気付いてやがる…!
すると何故か臨也はハァ、と溜息をついた。んだよ?


「……あのさーシズちゃん、俺たち付き合い始めてからどの位経つ?」
「あ?…3ヶ月だろ」
「そう、3ヶ月。それは凄く嬉しい事だよ。てか付き合えただけでも奇跡に近いってゆーか。…けどさぁ、未だに健全なお付き合いだけーとか、普通無くない?俺らもう20歳過ぎてんだよ?」
「…おう?」
「…つまりね、いい加減えっちしても良くない?って事」
「んなっ……!」
「はい顔赤くしないでー余計DTくさいから。乙女だなぁ」


えええええええっちっておま………!!ってDTて何だ!つか乙女じゃねぇ俺は男だ!
なんて内心叫んでいる中、臨也の話は続く。


「俺、結構アピールしてるのにさ、シズちゃん毎回スルーするし…。何?俺ってそんなに魅力無いわけ?それとも俺とはしたくないって事なの?男だから?」
「…おい、臨也、」


臨也は興奮した様子で捲し立てる。しかも何だかどんどん悪い方向になってやがる…不味くないか?
そう思い俺は声をかけたが、臨也が止まる事は無かった。


「確かに俺は男だよ。女でも、年上でも無い。でも選んだのは、シズちゃん。君なんだ」
「…臨也、話を聞いてくれ」
「だから今更男だからヤダ、なんて聞かないから、絶対に…!」
「臨也!!」


ビクッ、と震えた体を俺は抱きしめた。抱きしめながら俺は自分を殴りたくなった。
臨也の行動には気付いていた。だが、どうしても踏み出せなかった。…この力で、臨也を傷付けてしまう。そう思ったからだ。
それがどうだ。逆に傷付けて、不安にさせちまってるじゃねえか!
腕の中で弱弱しく「ごめん、ごめんね」と謝ってくる臨也。
…違う、お前は謝らなくて良いんだ。


「悪い、悪かった臨也。全部俺が悪ぃんだ」
「しず、ちゃ」
「この力でお前を傷付けるのが怖かったんだ。なのに、逆にお前傷付けてるとか…馬鹿だよな」
「……」
「…それに、相手がお前だったから、大事にしたかったんだ。…だから、その……したくない訳じゃ、ねえ」


その言葉に臨也は顔をガバッと上げ、俺を真っ直ぐに見た。ああ、目が潤んでやがる。


「それ、ホント?」
「ああ」
「俺、男だけど、良いの?」
「男とか女とか、関係無い。俺は"折原臨也"に惚れてんだ。それだけ分かってりゃ、良い」
「……シズちゃん!」


嬉しかったのか、ぎゅっと抱き着いてくる臨也。……くそ、慣れない台詞言ったせいで顔があちぃ。

誤魔化すように俺は目の前にある臨也の頭にキスをした。
それから臨也の顎に手をかけ上を向かせてから、続けて額、瞼、目尻、頬と順番にキスを落とし。

最後に唇にキスをした。

深くて甘ったるいやつを、な。






(じゃあ和解も出来た事だし、早速えっちしよう!)
(………せめてベッドで、な)






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