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愛しいアナタ【+α】


※甘々?の臨也視点むしろ独白
※激しくキャラ崩壊
※途中軽くシリアス






ふ、と深く沈んでいた意識が浮上する。
あー…。なんだか、久々に熟睡する事が出来たなぁ。恐らくはこの心地良い温もりのお陰なのだろう。

(……ん?温もり?)

んん?あれ?俺、湯たんぽの類いとか持ってたっけ?
それに今更だけどもなんだか、重い気がする。というか重い。確実に。
一体何なんだ?と考えながら、その原因を探るべく重い瞼を持ち上げた。そして視界に入ってきたのは。


−−見慣れた"彼"のバーテン服。


(………………は?)

いけない。危うく思考が止まりかけた。いやでもなんでバーテン服…?しかもなんか抱きしめられてるし。
…ぁ、もしかしてシズちゃんじゃない人だったり?
その考えに酷く落胆している自分を無視して、確認する為に顔を上げてみる。そこで俺はまたしても固まってしまった。

そこに居たのは紛れも無く、池袋最強と名高い"彼"−平和島静雄−だった。


「?!シ…っ!」


驚きのあまり大きな声が出そうになって、慌てて口を押さえる。良く分からないけど、今シズちゃんを起こしたらいけない気がする…!
ちらり、と相手の様子を伺ってみる。……うん、起きてないね。
はぁ、と思わず溜息をついて強張っていた体の力を抜いた。

(……ていうかさ、何この体勢。なんでシズちゃんに抱きしめられてる訳?)

意味が分からない。何だって、こんな。…これでは気持ちが抑えられないじゃないか。彼への、気持ちが。でも彼は、俺を心底憎んでる。殺してしまいたいほどに。ああなんて不毛であり愉快であり。…なんて愚かなのだろうか!こんな思いは即刻抹消しなければならないのに!存在すら許されないのに!ああ嫌だ厭だ、いつから俺は、


『なぁ、臨也』

「−−っ!」


思わず体がビクリと揺れる。今のは、一体…?
…あのシズちゃんが、穏やかな声で俺名前を、呼んだ?そんな、まさ、か。


『言いたい事があるなら、言えば良い。聞いてやるから』
(そんな)
『…まず1つ、お前が可愛いって事』
(嘘だ、ありえ、ない。有り得ない!)
『次に1つ。お前、笑うとすげえ綺麗な事』
(嘘、うそ…)
『最後に1つ。…ここまで俺を愛してるくれるのは、お前しか居ないって事』
(だってシズちゃん、は)
『ついでにおまけだ。…俺はそれが全く、嫌じゃねえ』
(…っ)
『って事でな、もう少し待ってくれ。そうしたら、自分の気持ちに確信が持てそうなんだ』
(…ああ)
『だから、な』
『−これからも一緒に居て、俺を好きでいてほしい』



−−−思い出した。昨日の出来事を。


昨日俺は、シズちゃんの家に来て、ご飯を作って一緒に食べて。それが嬉しくて仕方なかった。思わずあまり得意ではない酒を飲んでしまうくらいには。
そのせいでシズちゃんに言ってしまった。…不覚にも泣きながら。はぁ、言わないと決めていたのにな。予定が狂っちゃった。

…ああやだな。また、泣きそう、だ。

(…それもこれも皆、シズちゃんのせいだ。うん。そうに違いない)

考えるのが億劫になり、無理矢理全部をシズちゃんのせいにしてみたり。大体何時もヘタレのくせにこんな時だけ男前とか。それこそほんと有り得ないよ!

そんな事を考えても涙は溢れてくる訳で。昨日から泣いてばかりだな、と思いつつ、スリ、と目の前の胸元に頭を擦り付けてみる。そうすると腰にまわっていたシズちゃんの腕がきゅ、とさらに抱きしめてくれた。何だろうこれ。ほんとに現実?夢とかじゃないよね?…ああもう夢でも良い!


(ああ、なんて幸せなんだろう!愛してる!)




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