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愛しいアナタ【3】


※甘々の静雄視点
※キャラ崩壊が酷いです






食べてる間、向かいからの視線を感じつつも、俺は無事にちらし寿司を完食した。
皿片付けねぇとな、と思い立ち上がろうとしたら、あ、俺片付けるから座ってて!と言うと同時に素早い動きで皿を奪われ、ささっと台所に消えやがった。仕方なく俺は中途半端な体勢をどうにかすべく座り直す。

なんなんだ一体…。

はぁ、と俺は思わず溜息をついてしまった。今日の奴は変だ。物凄く。そのせいで俺まで何だか調子が狂う。何時もみたいな対応が、出来ない。
つーか思ったんだがあいつの行動を振り返ってみると、何だか新妻っぽ…いや待て俺は今何を考えた?!お、落ち着け!奴は臨也だ。あの折原臨也だぞ?!なんだ新妻って?!マジ有り得ねえだろうが!


「シズちゃん?」
「?!っお、おう」
「どうかした?」
「いや、何でもない!」


あ、危ねえ。また危うく意識がどっかいってたわ…。
内心冷や汗をダラダラとかきつつ、俺はごまかした。正直こいつ相手に通じるとは思えないがせめともの気休めだ。言ったら最後、変態扱いされそうだ。否、こいつなら絶対にする!そうに違いねぇ!

ふーん?、と奴は気の無い返事をしつつも、差ほど興味が湧かなかったのだろう、見事にスルーをし、手に持つ湯呑みを俺に差し出してきた。


「はいこれ」
「…何だ、こりゃあ?」
「嫌だなー、ひな祭りと言ったらほら、白酒って決まってるじゃん!」
「は」
「いやーちらし寿司も面倒臭かったけどこれも面倒だったよー。毎年作る親とか凄いねー」
「……」


驚いた。こいつ白酒まで作ってやがったのか。どんだけ手際が良いんだ…。てかよ、ここまでされるとマジで新妻に見えてきた。俺やばくねえか?


「……飲んで良いのか?」
「もっちろん!その為に作ったんだからー」
「…おう」


ああ、だんだんこの変な臨也にほだされてきてるな…と自覚しつつ、くいっと湯呑みをあおった。


「どう?美味し?白酒になってる?」
「ああ、美味いぞ。ちゃんと白酒だ」
「良かったー!初めて作ったから不安だったんだよね!」
「マジかよ。初めてでこんだけ美味く作れるとかスゲーなお前」
「…!!………も、もう一杯、飲む?」
「おう」


照れながらも進めてくるものだから、つい笑顔で返してしまった。したら俯きながらも湯呑みに入れるものだから、なんだか微笑ましくて笑ってしまった。
こいつもこんなに表情があるんだなと、ふと思った。




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