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Chemistry【7】


※臨也視点
※静×臨+新羅






「あれ?2人共おはよう」
「…おはよー」
「よう」
「珍しい、と言うより奇跡に近いよね一緒に登校だなんて。臨也なんか何時もより遅かったし。…あ、もしかして一緒に勉強した後にそのまま泊まっちゃった揚句ギリギリに起きたとか?」
「あっはははー、…黙れ新羅」
「良く分かっ、」
「シズちゃんも黙れ」
「「……」」



…不覚にも俺はシズちゃんと一緒に登校した。


……勿論俺は嫌だった。抵抗もした。当たり前でしょあんな恥かしい事があったんだから…!ああもう昨日の俺何なのあんなの俺じゃないし!!

でも朝は寝坊してシズちゃんより早く家を出る時間無かったし、そんなシズちゃんは朝食べた後に「よし、行くか」とか言って俺の腕を掴んで出てくし。
幽君とおばさんは何故かソレを微笑ましそうに見てくるし…!ああもう言ってる俺もよく分かんなくなってきた!

………本当は、朝何時も通りの時間に起きたらシズちゃんに抱き締められてるのに驚いて、………起きたシズちゃんが声をかけるまで固まってたせい、
…なんて誰が言えるか…!寝坊したのも校門で新羅に遭遇したのも全部シズちゃんのせいなんだから…!!



「…ぃ、おい臨也!」
「!な、何シズちゃん?」
「チャイム鳴ってんぞ」



キーンコーン…、と聞きなれた音が校庭に響く。本当だ、てか新羅居ないし…て、あれ?



「………1限目って、もしかしてしなくても化学じゃない?」
「…あー、そうだな」
「そうだな、じゃないでしょ!ほら走るよ!」
「そんな急がなくても逃げねーし…」
「誰のせいだよ誰の!!」



…ここまで散々な朝って、滅多に無いじゃないんだろうか。




***



「…あのさぁ」
「ん?」
「こんな結末とか、有り?…てか俺の頑張りどうしてくれんだこの野郎」
「俺に言うなよ…悪いのはあの先生だろ」
「八つ当たりでもしないとやってらんない…!」
「おいコラ今なんつった?あ゙?」



取りあえず切れかけのシズちゃんは無視しといた。…だって面倒だし。

…てかさ、テストって言った張本人がインフルで休みとか、有り得なくないか?そのせいでテストは来週に持ち越し、とか…。………ほんと、一気にやる気無くしたよ。
…大体なんで俺がシズちゃんの為に走ったりとかしてるんだよ。正直それも意味分かんないし。ああもう。


…めんどいから今日は全部サボろう。


そう思って屋上まで来た。…勿論合鍵を使ってね?ほら、俺って準備良いからさ。
で、今現在屋上で寝そべってる訳。あー空が青いなあ。



…ところで八つ当たりしといて何だけど、……如何してシズちゃんが隣に居んの?



「……ねぇ、シズちゃん」
「あ?」
「何で付いて来たの?授業出れば良いじゃん」
「…手前は、ここに居るつもりなんだろ?」
「へ?うん、そうだけど…」
「じゃあいい。……臨也の隣に居るほうがよっぽど良い」



そう言ってシズちゃんは、笑った。



…顔が熱くなるのが自分でも分かった。


……え、何。行き成りデレ発動とか、ちょ、本当にやめてよね…!昨日から確実にそのデレっぷりに俺、"振り回されて"ばっかりなんだけど…!!
…………あれ?俺、何か大事な事忘れてるような……?んん?……"振り回、す"?



「………あ」
「…『あ』?」
「ああごめん独り言だから気にしないで」
「は?」



思い出した…!昨日の朝シズちゃんの事"振り回す"って決めてたじゃん俺……!あまりのデレデレ具合に完璧忘れてた…!
でも今出来る事なんて……有るけど、これはしたくないなあ…。

チラリ、とシズちゃんに視線を向けてみる。すると不思議に思ったのか、首を傾げられた。…軽く笑顔付きで。

あああもう止めてそれ!恥かしい通り越してなんかムカついてきた…!良いよやってやろうじゃん!



「…シーズちゃんっ」
「ん、何だ?」
「横、向いて?」
「……横?」
「いいから、ほらっ」



そう言うとしぶしぶながら横を向くシズちゃん。うん、素直で宜しい。

そんな事を考えながら俺は、身体を起こして彼の首に顔を近づけた。…上手く付くと良いけど。



「おい、何する…っつ!」
「あ、もうちょい待ってね」
「何言って…い゙っ!!」



俺の行動に驚いたのかシズちゃんに呼び止められた。が、今更止める訳にはいかない。
そのまま俺は彼の首筋をペロリと舐めて濡らしてから…噛んだ。痛がる彼を無視して次にそこを強く吸う。
少し顔を離して確認。…うん良し。ちゃんと付いた。
離れるついでに耳も噛んどいた。やっぱり痛がられた。



「ちょ、てめ、何して…!」
「何って、キスマーク?」
「キっ…!!……いや待て、手前噛んでなかったか?」
「噛んでからキスマークも付けたよ」



そう言うと唖然とされた。うん、何か良い感じに振り回せてるかも。
…シズちゃん童貞な気がしたからこうゆうの免疫無いと思っての行動だったんだけど、正解だったみたい。



「何で、そんな事急に…」
「んー、俺なりの…愛情表現?」
「んな…」
「それに、さ」



そう言ってシズちゃんの膝の上に乗る。…あーこれやっぱ恥かしい。……でもシズちゃん真っ赤だし…いっか。

俺はシズちゃんの目をしっかりと見つめる。そうするとシズちゃんは見つめ返してくれた。…あ、その眼良い。…獣みたいな、シズちゃんの眼。

そんな事を思いつつ、俺は言った。



「噛み跡がキスマークって…俺らにぴったりじゃない?」



その言葉を最後に、俺は俺の口で彼の口を塞いだ。

…少し目を開けて見ると彼の顔はやっぱり真っ赤だった。




(ざまあみろ!シズちゃんめ!)




……ちなみに俺も真っ赤だったのは言うまでもない。



fin?


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押せ押せ臨也。それにたじたじ静雄。新羅の空気っぷりに悲しくなった。ごめん新羅^^;
あとおまけ話2つくらい続きます。


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