スラヴィエーラ:「はあー」 オルグァン:「何回目の溜め息だ、それは」 スラヴィエーラ:「だって、司会はどうせあの娘なんでしょう?原作であんな展開なのに、どうやって顔を合わせろってのよ」 サルディアン:「つまり、紅蓮姫はいまだ戻らんわけだな?」 スラヴィエーラ:「はっ……破妖剣士長、申し訳ありません。ですが、紅蓮姫とラエスリールは現在切り離せない状態でして……」 サルディアン:「言い訳はするな。お前たちはただ、我々の指示通りに動いていればよいのだ」 スラヴィエーラ:「くっ……!」 オルグァン:「抑えろ、スラヴィ。マイダードならこんな時どうする?」 スラヴィエーラ:「冗談でかわす……でしょうね」 オルグァン:「判ってるなら、そうしろ。ここで上司と揉めてもいいことは無いぞ」 サルディアン:「何だその目は。不満があるのか?」 スラヴィエーラ:「いっ、いいえ、破妖剣士長。その帽子、とてもよくお似合いですわね♪」 サルディアン:「これはカツラだ」 スラヴィエーラ:「……(汗)」 (会議室の扉が遠慮がちに開き、ラエスリールが現れる) スラヴィエーラ:「あーら、主役は遅れてご登場ってわけ?」 ラエスリール:「そ、そんなつもりは」 スラヴィエーラ:「浮城を出奔しておいて、よくも、のこのこと顔を出せたものね」 オルグァン:「おい、よせよ…」 ラエスリール:「スラヴィエーラたちには、迷惑をかけてすまないと思っている…だが、今の紅蓮姫には」 ラキス:「君が謝ることはないよ」 スラヴィエーラ:「なっ……あなた誰、いきなり」 ラキス:「紅蓮姫の初代の使い手、ラキスです。わけあって少年バージョンですが、ご了承ください」 スラヴィエーラ:「は?」 ラキス:「元はと言えば、僕と紅蓮姫が恋に落ちてしまったことが原因なんだ。責任は全て、この僕にあります」 オルグァン:「ご立派な心がけだが、既に死んだ身であるあんたに、一体何が出来るんだ」 アーゼンターラ:「紅蓮姫は渡さないわ……」 オルグァン:「見ろ、↑あんな状態なんだぞ?」 ラキス:「判っています。紅蓮姫を説得するには、僕ひとりの力では駄目だ。だから彼らにも出てきてもらうことにします」 ラエスリール:「彼ら……というと」 (紅蓮姫のお気に入り・1人目) ジズ:「えっと……俺、ここにいてもいいのかな?」 オルグァン:「誰なんだお前は」 ジズ:「名前はジズ。あんたたちは知らないだろうけど、コミック版破妖に登場したキャラだ」 スラヴィエーラ:「画面の中を動けるなんて、うらやましい話だわね。どうせなら『鬱金』もコミック化してくれないかしら」 オルグァン:「お前をコマで動かしたら、うるさくてたまらんだろう」 スラヴィエーラ:「なぁんですってえ!!あんたこそ図体が大きすぎて枠内に収まらないんじゃないのっ?」 ラエスリール:「あ、あの、2人とも、話がずれてるんだが……」 ラキス:「久しぶりだね、ジズ」 ジズ:「ラキス!逢いたかったよ!!」 (紅蓮姫のお気に入り・2人目) 熾翠夫:「ん、ここは……?」 ラキス:「気がついたかい、もう一人の使い手」 熾翠夫:「あれ……おれは紅蓮姫に刺されたはずじゃ……血が、血が出てない?そうだっ、おれの大切な奥さんは?無事なのか!?」 ラキス:「ごめん、僕の口からは言えない……」 ウルガ:「彼が私の祖先、か。こうして見ると何やら感慨深いものがあるな」 ラエスリール:「ウ、ウルガさん、どうしてここに!」 ウルガ:「一応、私も破妖剣士だからな。ラエスリールには、色々と迷惑をかけた」 ラエスリール:「わたしは、あなたの妹さんを……」 ウルガ:「言うな。私たちは禁忌を犯し、そしてその報いを受けたまでの事。ラザーラも彼岸で詫びているはずだ」 ラエスリール:「ウルガさん……」 スラヴィエーラ:「話が全然見えないわ」 オルグァン:「おれもだ」 サルディアン:「さて、そろそろ時間だな。今日はこれで解散」 スラヴィエーラ:「オチも無いわけね……」 オルグァン:「最悪だな」 ラザーラ:「ウルガったら、ひどいわ。わたしを置いて先に行っちゃうなんて……」 キャサドゥール:「そこの女、止まりなさい!」 チャキッ。←破妖刀を構える音 ラザーラ:「なあに、あなた」 キャサドゥール:「それはこっちの台詞よ。その手に持っているのは、まさか……月晶華!?」 ラザーラ:「そうだけど」 キャサドゥール:「じゃあ、ウルガ・シェイラを殺したのはお前なのね?」 ラザーラ:「ちょっと、変な誤解しないでよ。わたしは、浮城にこれを返しに来ただけ」 キャサドゥール:「あなた、妖貴でしょう。魔性がなぜ破妖刀を持っているの?」 ラザーラ:「話せば長くなるんだけど……」 キャサドゥール:「何だ、そういう事だったの。でも、定例会議ならとっくに終わったみたいよ」 ラザーラ:「みたいよって…あなたは参加しなかったの?」 キャサドゥール:「したくても出来ないのよ、台詞なしだからね。でも、あなたのおかげで喋る機会がもらえたわ。ありがとう」 ラザーラ:「はあ。それで、ウルガはいまどこにいるのかしら」 キャサドゥール:「会議室に行ってみたら?」 スラヴィエーラ:「はー、肩が凝ったわ」 オルグァン:「結局、おれたち以外にまともな破妖剣士はいないってことだな。みんな化け物揃いだ」 (廊下で、美女2人と話し込んでいるマイダード。会議室から出てきたスラヴィエーラたちを振り返る) マイダード:「よっ、お疲れ」 スラヴィエーラ:「あらマイダード。ずっと待っててくれてたの?」 マイダード:「今日は予定も無いしな。3人で飲みに行かないか」 オルグァン:「おれが飲めないことを知ってて、その発言はないだろう」 マイダード:「すまないな」 オルグァン:「思いっきり棒読みだぞ。……判った、お邪魔虫は退散してやる。だが朝帰りだけはするなよ」 マイダード:「へいへい」 アンティス:「……」 ロウヴル:「……」 マイダード:「じゃあな、お2人さん。次は出席出来るよう祈ってる」 スラヴィエーラ:「そっか、彼女たちも捕縛師だったわね。気の毒に」 (歩いているうちに何かを感じたのか、険しい顔で立ち止まるマイダード) スラヴィエーラ:「どうしたの?」 マイダード:「いや……妙な気配が近づいてくる」 (廊下の角を曲がって現れるラザーラ) ラザーラ:「あの、会議室ってこっちでいいのかしら」 マイダード:「ああ、そうだが。お前さんは誰だ?」 (目つきが鋭く変わるマイダード) マイダード:「さっきから、おれの刺青が、疼くんだが……」 スラヴィエーラ:「そう言えば、わたしの夢晶結も鍔鳴りしてるのよね……」 (言いながら、ゆっくりと構えを取る2人。思わず後ずさるラザーラ) ラザーラ:「な、何よあなたたち。わたしが一体何をしたっていうの」 マイダード:「妖貴、だな。どうやって城内に侵入したんだ」 スラヴィエーラ:「そんな事はどうでもいいのよ。こいつを倒せば一気に大出世だわ。マイダード、邪魔しないでよね!」 マイダード:「お前こそ邪魔するな、スラヴィ」 スラヴィエーラ:「なっ」 マイダード:「流血沙汰は御免だ。彼女には、おれの中で眠ってもらう」 スラヴィエーラ:「言い方がいやらしいのよ、あなたはっ!!」 (くるりと回れ右するラザーラ) マイダード:「お。逃げたぞ」 スラヴィエーラ:「こら、待ちなさーい!」 ラザーラ:「わ、わたしは人間だってばー!!」 [*前] | [次#] ページ: TOPへ |