雑記帳 捕縛師会議


セスラン:「うーん、みんな遅いですねえ。会議が始まるまで、あと5分なんですが」 
タイドリク:「揃いも揃って個性的な連中ばかりだからな。今から胃が痛いぞ」 
セスラン:「お察ししますよ、捕縛師長。おや、誰か来たようですね」 
 
 
マイダード:「……」 
セスラン:「こんにちはマイダード。あなたが一番乗りですよ」 
マイダード:「あんたが司会だと判っていたら、来なかったんだが」 
セスラン:「ははは、嫌われてますねえ。とりあえずそこの席にどうぞ」 
 
(間) 
 
セスラン:「全員集まりましたね。ではこれより捕縛師定例会議……の名を借りた、雑談を始めたいと思います」 
タイドリク:「お、おい!」 
 
(以下、好き勝手に話し始める捕縛師の面々) 
 
 
フィージ:「最近スラヴィエーラとはどうなってるんだ?」 
マイダード:「なんだ、それは」 
フィージ:「いや……おれたちの中で、一番早くまとまりそうなのがお前らだから、参考までに」 
マイダード:「何のことやら。そう言えばお前、あの世話焼き姉さんの妹と出来てるんだったな」 
フィージ:「ど、どうしてそれを」 
 
 
カガーシャ:「ごめーん、あたしが教えちゃった♪」 
フィージ:「サティンに口止めしておいたはずだぞ!?」 
カガーシャ:「壁に耳あり障子に目あり、ってね。もう、仲間のほとんどが知ってるわよ?」 
フィージ:「……(赤面)」 
 
 
シャーティン:「ふん、くだらない恋愛話に盛り上がってるようじゃないか。おつむが平和な連中は幸せだな」 
カーガス:「同感だわ。あんたたち、浮城がいまどんな状況だかわかってんの?」 
 
マイダード:「こんな状況だからこそ、息抜きも必要だと思うが……?」 
カーガス:「ふざけないで。あんたみたいな軽薄な男がいると、捕縛師全体の士気が疑われるわ!」 
 
マイダード:「軽薄……」 
フィージ:「おいおい、言い過ぎだぞカーガス」 
シャーティン:「おれはそうは思わないね。たまに集まれば女の話しか出来ないような奴らと、同列に扱われたくはない」 
カガーシャ:「あっ、わかった。あなたたち2人とも、原作で殺されちゃったから、根に持ってるのね?」 
 
シャーティン:「なっ……」 
カーガス:「ち、違うわよ!」 
 
 
マイダード:「いや待て、カーガスはともかく、シャーティンの生死は不明だぞ?最後『気を失った』で終わってるからな」 
カーガス:「ふ、ふん。どっちにしろ出番がなければ、死んだも同然じゃない」 
シャーティン:「言うなあああああ!!」 
 
 
サティン:「うーん、彼の場合、わたしと名前が似ていたのが運のつきかしらね」 
セスラン:「同じような名前の人は、2人も必要ありませんからねえ。はははは」 
 
 
マイダード:「さりげなく酷いことを言う連中だな」 
カガーシャ:「主要キャラの余裕ってやつ?いいわよねー、あたしなんか外伝のみ出演のちょい役よ」 
マイダード:「だが、死ぬ心配がないだけましじゃないか?おれなんか今の時点で、生きて浮城に戻れるかどうかも怪しいんだが」 
 
 
カーガス:「そう言えば、あと一人来てないやつがいるわね。サボリ?」 
リメラトーン:「……さっきから、いますよ」 
マイダード:「お、いたのか別嬪さん。小さかったから判らなかった」 
リメラトーン:「っ、この!!」←殴りかかろうとする。 
 
クーシナラ:「やめてよ、トーンっ!マイダードさまのお顔に傷がついちゃう!!」 
サティン:「あら、飛び入り参加?」 
カーガス:「ちょっと、あんたはまだ捕縛師見習いでしょーが。会議に出る資格は」 
クーシナラ:「マイダードさま、大丈夫ですか?マイダードさまっ」 
フィージ:「おい…聞いてないぞ、この子」 
  
 
タイドリク:「お前ら、いい加減にせんか!!真面目に会議をする気がないのなら今日は解散だっっ!!」 

(間)

シャイレン:「ちっ、一足遅かったか。せっかく参加しようと思ってたのに」 
ミランス:「あら、綺麗なお嬢さんだこと。あなたも捕縛師?」 
シャイレン:「誰よおばさん」 
ミランス:「ガンディアの王太后、ミランスです。近頃の捕縛師は、教育が行き届いてないようだわね。目上の者に向かってその口の利き方は……」 
 
シャイレン:「目上ぇ?でもあたし、おばさんより前の時代の人間なんだけど?」 
ミランス:「そういう問題ではありません。全く、同じ捕縛師として恥ずかしく思います。そこにお座りなさい、私が礼儀と言うものを一から教えて差し上げます」 
 
シャイレン:「あー、あたし堅苦しいの苦手なんだって。ちょっとそこのあなた、黙ってないで助けてよ」 
 
アスラッド:「……」 
 
ミランス:「彼は、どなた?」 
シャイレン:「あたしの息子の知り合い」 
ミランス:「無口な男性なのね」 
シャイレン:「原作で台詞がないから喋りようがないのよ、きっと」 
 
アスラッド:「……」 
  
ミランス:「そう言えば、そのブロンズの髪には見覚えが。息子さんって、まさか、捕縛師セスラン殿?」 
シャイレン:「あったりー」 
ミランス:「では、あなたがスフライーン様のご息女、シャイレン様ですわね。まあ、まあまあ。そうとは知らずご無礼を致しました」 
 
シャイレン:「続きは食堂で話さない?もちろん『目上の』王太后のおごりでね。うふふ」 
ミランス:「さすが、しっかりしてらっしゃる。ですがここはやはり、『先輩捕縛師』のあなたが全額負担するべきでは?」 
 
シャイレン:「強いおばさんね」  
ミランス:「ええ。崖っぷちまで追い詰められた者だけが持つ、強さです」 
 
シャイレン:「……」
ミランス:「どうかなさいました?」 
シャイレン:「…が、崖って言葉を聞くとつい、拒否反応が……」 
ミランス:「??」 



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