雑記帳 縦読み


※『縦読み』とは、各行の頭文字をつなげるとメッセージが表れる文章のことです。



からころも
きつつなれにし
つましあれば
はるばるきぬる
たびをしぞおもふ (伊勢物語)



【注意】
スマホからだと表示が崩れます。
メモ帳などにコピペすることをおすすめします。



- ラエスリール談

私が『鬱金の暁闇3』のラストで父さまに首を絞められてから、
はや数年が経った。紅蓮姫は相変わらずターラに懐いたまま、
主人は私だといくら訴えても、恐らく聞き耳は持たないだろう。
役に立たなくなった破妖剣士が、彼女の傍にいても無意味だ。
だから私は紅蓮姫を諦めた。選択権は破妖刀にあるのだから。
かつて彼女は、ラキスという少年を使い手に選んだ。そして今、
ラキスの生まれ変わりであるターラを使い手に選ぼうとしている…
死してなお、紅蓮姫を思い続けていたラキスは尊敬に値するが、
なぜそれが今なのだろう。彼の執念にも似た思いが報われるのは、
なにも、今でなくても良いのではないか。別に、私の代でなくとも…
いや、私の代だからこそ、か?




- 闇主談

まさかこの期に及んで初代使い手が出てくるとはな。恐れイリアの鬼子母神ってやつだ(笑
あっさり紅蓮姫を手に入れて喜んでる小娘には悪いが、あれはとっくにラスのものなんだよ。
つまらん嫉妬や復讐心だけで、浮城最強の破妖刀を使いこなせるとでも思っているのか?
まったく、これだからケツの青い小娘は…おっと、小娘と言えば、浮城にはもう一匹いたな。
リーヴシェラン、と言ったか。あれも、城長代理の目を盗んで、何やら企んでいるようだが。
全編を通じて魔性に色々と痛い目に遭わされたのに、懲りない娘だ。それに戦闘要
員誰一人として、紅蓮姫個人の意思を尊重しようとはしないのが笑える。
いってみればただの都合のいい『道具』なんだろ。だったら半端に崇め奉るなっての。
つまり、あれが我が儘に育っちまったのは、浮城の馬鹿共に原因があるってことだ。
てっとり早く紅蓮姫を取り戻すために、ターラとか言う小娘を使ったのは失敗だったな。
よりにもよって、初代使い手の魂を身に宿しているとは。
しかし!ここからがおれの見せ場だ。落ち込むラスを優しく抱き寄せ、あんなことやこん


- 邪羅談

こらこら、なーーーーにやってんだよそこのエロ魔性っ!あんた最近そんなんばっかりだな!!
こんなことしてる間に姉ちゃんが窒息死したらどうすんだ!だいたいあんたは、護り手のくせに
まったく姉ちゃんの傍にいないばかりか、事態を引っかきまわして楽しんでる節すらあるぞ!?
で、どうなんだよ。鬱金の続き、今年中には出そうなわけ?時の流れに干渉できる兄ちゃんなら、
のんびり放置してたら破妖の末路がどうなるかってことくらい、わかるよな?ただでさえ読者から
遅すぎるだの内容が薄すぎるだの新シリーズ出し杉だの言われてるんだからさあ。もうお年だし、
筆を折って山にこもるんじゃないかとか、同人一筋に生きるんじゃないかとか何とか…一つの人気
作品を生み出すのは大変な苦労が要るってのはわかるけど、このままじゃ破妖は終わり…ええっ、
家に行ってみるって?マジで!?直談判ってやつ!?さっすが兄ちゃん、やるときゃやる!
もっとも、おれは作者の住所なんて知らないんだけど。まさか
珍走団が来るほど田舎じゃないよな?そんな騒がしい環境じゃ、とても小説なんて書けないもんな。
しっかり作者に伝えてきてよ、おれの代わりに。……あれ、もう戻ってきたぞ。どうだった兄ちゃん?
いい知らせ…ええっ?鬱金4からまたしても新キャラ登場!?おれの出番は当分先になるって!?
ぜっっっったいおかしいよ!何考えてんだあの人はっ!そんな展開、死んでもごめんだからなっ!!



- スラヴィエーラ談

私はもう切れたわ!ラエスリールは奮起する気配なしだし、ミランスの狸婆は
のらりくらりとこちらの質問をかわしてばっかりだし、もはや、私の夢晶結の
破壊力を持ってしても、この不快さは打ち砕きようがないわね。それと柘榴の
妖主はこの非常時に一体どこへ消えたわけ?浮城は今、一振りでも多くの破妖
刀を必要としてるって言わなかったかしら。そもそも今のあの娘には、別に刀
は必要ないじゃないのよ。妖主さえも魅了する力を持っているくせに、この上
世に稀なる破妖刀・紅蓮姫にまで選ばれて、まだ足りないの?それなら、下町
界隈にでも行って娼婦になれば?怪しい連中に好かれるのが特技なら、そこで
一生遊んで暮らせるわよ。ええ、見苦しい言動だって判ってますとも。あなた
よっぽどラエスリールの実力を買ってるのね、随分庇ってるし。あ、別に私は
ねたんでなんかいないわよマイダード。そんな事より次の作戦は立ててるの?


- マイダード談

強行手段に出るしかないと思う。時と場合によってはな。お前が例の娘を
面白く思わないのはよく知ってるし、その気持ちも判るつもりだ。まあ、
女同士の嫉妬とか、陰湿な苛めなんかは本人の好きにしてくれって感じで
必ずしも許容してるわけじゃないけどな。実はラエスリールの事が心配で
死ぬ気になって説得したいんだってことも、ちゃんと顔に書いてあるぞ。
だからっておれたちに何の相談もなしに暴走するなよ。死んだら元も子も
ないんだからな。力仕事と作戦立案はおれたちに任せて、お前はお偉方に
笑顔と愛想を振りまく事と、そのよくまわる口を動かす事だけを考えろ。
頑固な連中の相手をするのが疲れたら、愚痴くらい聞いてやる。あれだけ
張り切ってた仕事だから、成功させたい気持ちは皆同じだ。勿論ターラも
れっきとした捕縛師で、おれの後輩だ。この経験も、必ずあの子の将来の
プラスになると信じてる。お前も本当はそう思ってるんだろ、スラヴィ?



- オルグァン談

正しいのは誰なのか、そんな事は問題じゃない。一刻も早くラエスリールに
直談判して、ターラと紅蓮姫を引き離すべきだろう。おれたちは追っ手だが
上層部の飼い犬じゃなく、血の通った人間なんだ。可愛い後輩の命の危機に
のんびりと手をこまねいていられるか?お前ら、痴話喧嘩ばかりしてないで
2巻を読み返せ。トーンが、じゃなかった、ターラが、少しずつ心を開いて
人の輪の中に入っていこうとしているのが判るだろう。蜜里だって、この間
はっきり言ってた。彼女は不器用なだけで本当は優しい子なんですってな。
どれだけ突っ張ってもターラはまだ子供で、無力だ。特にスラヴィ、彼女を
うらやましいだなんて決して思うな。お前が夢晶結に愛されたいのは判る、
でもな、紅蓮姫が求めているのはターラじゃなくてラキスの過去の亡霊だ。
もう少し冷静に考えてみろよ。破妖刀よりもずっとお前を心配してくれてる
良い男が、誰とは言わんがそこにいるから、気づいてやれ。浮城に戻る日が
いつになるかは判らないが、帰る時は絶対に4人一緒、だ。いいなお前ら。

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