鬱金の間 スラヴィを条件付きで守るマイダード




(誰かに追われているスラヴィ)
(廊下をバタバタ走っている)

マイダード「あー、よく寝た」

(欠伸をしながら自室のドアを開けて出てくるマイダード)
(走ってくるスラヴィと目が合う)

マイダード「どうしたんだ、そんなに血相を変えて……何かやらかしたのか?」
スラヴィ「マイダード!匿って!」

(後方を振り返りつつ、マイダードの袖を掴むスラヴィ)

マイダード「理由も聞かずに、匿えないな。お前が悪いのかも知れないし」
スラヴィ「そういう公平なところ嫌いじゃないけど、少しは状況を選びなさい!」
マイダード「まず事情を……」
スラヴィ「詳しく説明してる余裕はないのよ!お願い、このままだとわたしたち引き離されるかも」
マイダード「!!」
マイダード「おれのベッド入ってろ」
スラヴィ「ありがとう!」

(スラヴィを室内に引き入れ、バタンと扉を閉めるマイダード)
(ベッドに入って、頭から掛布を被るスラヴィ)
(すぐに廊下の向こうから追っ手が来る)

カガーシャ「マイダード、スラヴィを見なかった?」
マイダード「スラヴィならさっきここに来たぞ」
カガーシャ「ほんと!?」
マイダード「ああ。匿ってくれって頼まれたんだが、理由も聞かずに匿えないって言ったんだ。今頃、部屋のベッドにでも隠れてるんじゃないか?」
カガーシャ「わかったわ、ありがとう!」

(スラヴィの部屋の方角へ去って行くカガーシャ)

マイダード「……嘘は言ってないからな」

(呟いて、もう一度自室に入る)

マイダード「さて」

(どこか浮き浮きした様子で、ベッドに近づき)
(そっと掛布を剥ぐ)

マイダード「スラヴィ、言う通りにしたぞ。事情の説明と、報酬の支払いを……」
スラヴィ「ZZZ」
マイダード「………」



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