鬱金の間 マイオルの氷火滅消作戦(後)


【注意】
・キャラ崩壊
・原作と大幅に異なる展開
・マイダードがオトナードに進化した
・スラヴィがスラヴィーナスに進化した
・オルグァンには何も起こらなかった
・邪羅が謝良に
・氷火が氷菓に




【自覚なき悪】

邪羅「あれ……氷火は?」
ラス「スラヴィたちに謝りに行くそうだ。これを機に仲良くできるといいのだが」
邪羅「やっぱり、逃がしたんだ……」
ラス「?」

(唇を噛む邪羅)

邪羅「あいつの言う通りじゃないか……」
ラス「邪羅、どうした?」
邪羅「姉ちゃんさ……おれ、こんなに近くにいたのに、姉ちゃんのことちゃんと見てなかった」
ラス「え?」
邪羅「おれたち、やっぱり間違っ……」
闇主「おい」
邪羅「……」
闇主「お前、こいつが支配する世界に何か不満があるのか?」
邪羅「兄ちゃん……」
闇主「この世界の誰がどうなろうが、誰がどこで生きようが死のうが、全てこいつの自由なんだよ」
邪羅「それなら人間の意志は……?人間の感情まで操る権利を、姉ちゃんは持ってるっていうのかよ?」
闇主「ふん、小僧がそんなことを気に掛けるようになるとはな。誰の影響だ?」

(染まりやすい白を嘲る、染まらない赤)

闇主「お前はもう、いい。こいつの意に沿わないなら出て行け」
ラス「邪羅!」

(吹き飛ばされる邪羅)

マイダード『お前たちが』
マイダード『ラエスリールに道を誤らせた』
マイダード『ターラを巻き込まないでくれ』
マイダード『それから……おれたちの、スラヴィも』

(澱んだ空間を見上げる邪羅)

邪羅(あいつら……どうなるのかな)
邪羅(姉ちゃんの命令があるから、殺されはしないだろうし)
邪羅(おれには関係ない……はずなんだけど)
邪羅(だけど)


【朝の廊下】

(タッタッタッ)

ターラ「すっかり遅くなっちゃった。急がないと」

(角を曲がってきた人物にぶつかる)

ターラ「きゃあっ!(尻餅)」
マイダード「おっと」
ターラ「いたた……」
マイダード「……」
ターラ「マ、マイダード……!」
ターラ(しまった。また『ターラちゃんはそそっかしいなー』ってからかわれる!)

(スッ、と差し出される手)

マイダード「立てるか?」
ターラ「あ、うん……ごめんなさい」
マイダード「気をつけろよ。それじゃ……」
ターラ「……?」


【食堂】

マイダード「部屋で食べるから、二人分」
配膳係「はい、二膳ね」
マイダード「ありがとう。ご苦労さん」
配膳係「……?」

サティン「ねえ、あれ、マイダードよね……?」
セスラン「そのようですね」
サティン「様子が違わない?落ち着いてるっていうか……」
セスラン「私には何となく察しがつきますが」
サティン「あら、どういう意味かしら?スラヴィと痴話喧嘩してるのは噂で知ってるけど、それは毎度のことだし……?」
セスラン「仲直りしたということでしょう。詳しい発言は控えさせて頂きます」
サティン「?」

オルグァン「お早う。今朝は随分と遅いな」
マイダード「ついさっき、起きたところだから……」
オルグァン「……その膳は、スラヴィの分か?」
マイダード「ああ」
オルグァン「…………」←察した

マイダード「旦那には、色々と迷惑をかけて……」
オルグァン「何だ、その今生の別れのような台詞は。まだ問題が片付いたわけではないんだぞ」
マイダード「わかってる」
オルグァン「後顧の憂いを断ってから、などと偉そうに語っておいて、全くお前は………」
スラヴィ「わたしが誘ったのよ。マイダードは悪くないわ」
マイオル「!!」

(食堂の入り口に仁王立ちしているスラヴィ)

マイダード「スラヴィ!」←Bダッシュ
マイダード「寝てていいって言ったのに……」
スラヴィ「大丈夫だって。いい加減うざいんだけど」
マイダード「………」
オルグァン「長く、遠ざけるような真似をして悪かったな」
スラヴィ「ううん。でもこれからは隠し事はなしね」
マイダード「旦那には優しいんだ……」
オルグァン「妹を嫁に出すような心境だが……まあ、ひとまずおめでとう」
スラヴィ「なにが?」
オルグァン「いや、その………」
スラヴィ「二人とも早く座って。今後の作戦を練るわよ」


【氷火の過去】

(燃える村)

氷火「あはは。楽しいな」
人間の男「くっ……魔性め!よくも我々の村を!」
人間の女「みんな殺されてしまったわ。どうするつもりなの……」
人間の男「下がってろ、お前は私が守る!」
人間の女「………」
氷火「やあ、まだ生き残りがいたんだね」
人間の女「まあ………」
人間の女「なんて綺麗な人なの……」
人間の男「!?」
人間の女「お願い、私を連れて行って!どうかあなたのそばに置いてください!」
人間の男「な、お前、何を言い出すんだ!お前には私がいるじゃないか!」
人間の女「うるさいわね!こんなしみったれた村で、あんたみたいなうだつのあがらない男と暮らすのはごめんよ!」
人間の男「お前……ずっと、そんな風に思っていたのか……?」
人間の女「この人なら、私をここから連れ出してくれる!ね、こんな男は放っておいて、行きましょう!」
氷火「そうだね、君はなかなか綺麗だから、玩具としてなら連れて行ってもいいかな」
人間の男「やめろ!」
氷火「ただし、男の方はいらない……」

(氷火の攻撃が男を襲う)
(その前に立ちはだかる女)
(ドシャッ)
氷火「……!?」

人間の女「うう……」
人間の男「!?」
人間の女「ご、ごめんなさい……あなただけでも助けたかったけど……無駄だったみたい」
人間の男「お、お前……」
人間の女「に、げて……愛してる……」

人間の男「う……う……」
人間の男「うわああああ!」

(氷火に掴みかかろうとし、あっさり吹き飛ばされる男)
(ドサッ)
(男女の屍が二つ)

氷火「………」
氷火「……くだらない。人間なんて本当にくだらない」

氷火「己の命を懸けても構わないほど、大切な存在……?僕には、そんなものはないのに……」

氷火「どうしてこんな、負けたような気持ちになるんだ……?」


【自覚ある正義】

氷火「おかしいね」
スラヴィ「なに?」
氷火「どんな女でも、僕を見ればぼうっとなるのに、君はおかしいって言ってるんだよ」
スラヴィ「女を舐めすぎじゃない?本当に『どんな女でも』あなたの虜になったの。例外は一人もいなかった?」
氷火「……」
スラヴィ「少なくともわたしには、外見だけ綺麗な上級魔性なんかより、後ろでぶっ倒れてるこいつらの方が」
氷火「……仲間として?」
スラヴィ「男として、よ」
氷火「ふうん、君の命の危機に、何一つ出来やしないのにね?力なき正義はただの無力だよ」
スラヴィ「いいえ、そうは思わない」
氷火「どうして?僕がこの手に軽く力を入れただけで、君たちの命なんて簡単に潰える」
スラヴィ「それでも、人の意志は残るわ。そしてその意思を受け継ぐ者は必ず現れるもの」

氷火(この女……)
氷火(あの時の女と同じ目をしている)
氷火(面白いじゃないか)
氷火(試してみようか)
氷火(君が、僕の心臓一個をかけるに値する存在かどうか……)



【スラヴィの部屋】

スラヴィ「ZZZZ」

(寝入っているスラヴィの枕元に、ふわりと現れる氷火)

氷火「迎えに来たよ。僕の検体」
スラヴィ「いらっしゃい。そろそろ来る頃だと思ってたわ」
氷火「!!」
スラヴィ「ラエスリールが教えてくれたのよ。ご丁寧にあなたの命を戻した上で、逃がしてくれたんだって?」

(『ラス』ではなく『ラエスリール』と言うスラヴィ)
(部屋の隅で起き上がる二つの人影)

マイダード「あれはそういう女だからな」
オルグァン「こいつに殺された人々の無念を、こいつと戦ったおれたちの苦しみを、考えようともしない……」
マイダード「これでわかっただろ、スラヴィ。だから、もうあの連中と親しくするのは……」
スラヴィ「二人とも、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょう」
マイダード「はい」
オルグァン「そうだな」

(ナイフを構えるマイダード)
(氷結漸を構えるオルグァン)

氷火「また僕と遊びたいの?でも残念だね、用があるのはスラヴィだけなんだ。連れて行くよ」
マイダード「やっぱりな……」
オルグァン「人に危害を加えないと、世界の王と約束しているはずだが」
氷火「もちろんだよ。僕のこの名にかけて誓ったんだ、『スラヴィには危害を加えない、二度と二人には近づかない』ってね。でも言霊の力だって、完全に僕を縛れるわけじゃない」
マイダード「………」
氷火「スラヴィは傷つけないよ。連れて帰って、愛するふりをしてあげるだけだ。そして二度と近づかない二人っていうのは、君たちのことだ」
マイダード「はあ……予想通りというか、何というか……」
オルグァン「魔性が信用ならんのは知っていたが……ここまでとはな」
未羽「ちょっと、こんな奴と一緒にしないでくれる!?」
左谷芭「………」
マイオル(何か言えよ)

氷火「待ち伏せしてたってことは、何か秘策があるのかな。これで本当に最後だし、少しは相手してあげてもいいよ」
スラヴィ「馬鹿を言わないで。わたしたちだけじゃあなたに勝てないってことぐらい、嫌というほどわかってる」
氷火「そうだね、それで?」
スラヴィ「わたしが大人しく連れて行かれれば、マイダード達には手を出さないのよね?」
マイダード「何を言ってるんだスラヴィ」
オルグァン「よせ」
氷火「ふうん、ずいぶん物分かりがいいね。何か企んでるね?」
スラヴィ「その代わり、あれを持って行かせて」
氷火「……あれ?」

(ベッド脇の縫いぐるみを指さすスラヴィ)

氷火「こんなものを?これって確か、子供が飾るものじゃあ……意外と幼いところがあるんだね」

(縫いぐるみをひょいと持ち上げる氷火)

マイダード「やめろそれに触るな」
オルグァン「放せ」
スラヴィ「それはマイダードにもらったのよ!返して!」
氷火「ふうん……子供の頃の思い出か。いいね、僕にはそんなものがないから」

(苛立ったように縫いぐるみに力を入れる氷火)

氷火「生まれた時から大人だったから……こういうものを大事にする気持ちは、わからないな」

(縫いぐるみを引き裂く氷火)
(ふと、痛みを感じて顔をしかめる。指先が切れて体液が滲んでいた)

氷火「馬鹿な……破妖刀の気配なんてしなかったのに」
オルグァン「この世には、破妖刀以外にも魔性を傷つけることのできる武器が存在するんだ。その原型となる鉱物を細かく砕いて、中に仕込んでおいた」
氷火「そんなものがあったとはね……」
マイダード「知らなかったのか?やっぱり子供だな。力はあっても、知識と経験が圧倒的に足りない」
氷火「この程度で、僕がどうにかなるとでも?」
マイダード「傷さえつければこっちのもんだ。どんな小さな傷でも、おれの刺青は見逃さない」
オルグァン「だが、傷は多ければ多いほどいい。援護するぞ」

氷火「させないよ。人を傷つけることは禁じられていても、動きを封じることぐらいは……」
氷火「!?」
氷火「どういうことだ。体が……!」

(見えない力が行動を封じていることに気づく氷火)
(オルグァンの氷結漸が氷火の腕を切り裂く)

氷火「うわああああ!」
オルグァン「………」←自分でも信じられないという顔

(腕組みして空中に現れる邪羅。とても不満そうな表情)

邪羅「言っておくけど、助けるのはこれ一度きりだからな!」
マイダード「ああ……」
邪羅「で、報酬ってのは?」
マイダード「おれたちと対等に口を利く権利かな」
邪羅「うっぜえ………やっぱお前、嫌いだわ」
マイダード「ありがとう」
邪羅「………」

氷火「僕の、僕の命が……!」
オルグァン「話には聞いていたが、妖貴の命数は膨大だな。氷結漸はもう腹が一杯のようだ」
マイダード「おれも、もう限界。スラヴィは?」
スラヴィ「まだいける!」

(夢晶結で斬りかかるスラヴィ)
(が、大物に恐れをなしているのか、一向に食が進まない)

スラヴィ「ちょっと夢晶結!もう少し頑張ってよ!」
マイダード「主に似ず、おしとやかな破妖刀だねえ」
オルグァン「こいつらに紅蓮姫ほどの貪欲さがあればな……」

氷火「スラヴィ、待って!本当に君のことは気に入ってたんだ!」
スラヴィ「……」
氷火「人間なんて嫌いだけど、君なら好きになれるかも知れないと思ったんだ!僕は僕の気持ちを確かめたかっただけなんだ、殺さないで!」
マイダード「スラヴィ、騙されるな。スラヴィを好きになる男なんて、おれくらいだぞ」
オルグァン「お前はどうしていつも一言多いんだ……」
氷火「スラヴィ、助けて!」
スラヴィ「あなたが今まで殺してきた人間も、そう言って命乞いしたんでしょう?」
氷火「そんなの知らない!弱いから悪いんだ!」
スラヴィ「………」

(夢晶結の容量が一杯になる)
(諦めて、氷火の体から刃を抜くスラヴィ)
(床に屈み、その顔を覗き込む)

スラヴィ「あなたの命……三人がかりでも、吸いきれなかったわ。これはあなたを生かせってことなのかも知れない」
マイダード「………」
スラヴィ「反省しているなら、ここに残って、誰かの護り手になる?」
氷火「なるなる!」
スラヴィ「じゃあ………」

(背中を向けるスラヴィに、襲い掛かる氷火)
(手を引っ張り、胸の中に抱え込む)

氷火「捕まえた!もう逃がさない」
スラヴィ「……」
氷火「近くに来たのが運の尽きだね。じゃ、さよなら」
邪羅「あのさあ……『人間に危害は加えない』約束だろ?破った者には、それなりの報いがあるって、知ってるよな?」

氷火「何を言うんだ!危害なんてまだ………」
スラヴィ「痛いんだけど」
氷火「!?」

(スラヴィの手を引っ張った際に、少しだけかすり傷ができていた)
(それはほんのわずかな傷)
(しかし、傷は傷)

氷火「そんな……なんで、このぐらいのことで」
マイダード「人間の女の体は、柔らかくて傷がつきやすいんだよ。そんなこともわからないのか?愛情をこめて触ったこともないんだろうな」
オルグァン「お前……」
マイダード「ん?」
オルグァン「何でもない」

氷火「どうして……傷つける気なんてなかったのに」
スラヴィ「でもわたしは実際、傷ついてる」
氷火「僕は悪くない!このぐらいのことで傷つくなんて、人間の方がおかしいよ!」

(絶叫)
(氷火の体がふっと消え、透明な塊が床に落ちる)
(氷の塊のようなもの)

スラヴィ「……死んだの?」
邪羅「いや、眠ってるだけ。このまま封魔庫行きかな」
オルグァン「長い戦いだった……」
マイダード「どうだ、おれの作戦は完璧だったろ?」
スラヴィ「どこがよ!?まあ発想はいいとして、あなたたちの棒読み演技はなんなの!?聞いててひやひやしたわよ!」
オルグァン「そう言われても……」
マイダード「相手があんまり簡単に引っかかるもんだから、笑いをこらえるので精一杯だったんだよ」

(苦笑しながら消えようとする邪羅)
(引き留めるスラヴィ)

スラヴィ「邪羅くん……いいえ、邪羅。今回のことは本当にありがとう」
邪羅「別に。借りを返しただけだし」
スラヴィ「借りって、マイダードに八つ当たりしたこと?」
邪羅「うん……よく考えたら、人間がおれたちを警戒するのは当たり前なのにな……」
マイダード「おれからも礼を言っておく。ラエスリールが逃がした氷火を倒すような真似をして、後で怒られないか?」
邪羅「大丈夫、姉ちゃんは魔性には優しいんだよ。でも、人間から見たらそうじゃないってのも十分わかった。だからもう、姉ちゃんと仲良くしろなんて言わない」
スラヴィ「……戻ったら、『ラエスリール』に伝えて。人間にも、あなたの手を離れて自由に生きる権利はあるって」
邪羅「あれ、意思疎通できるんじゃ……?」
スラヴィ「怒ってるのか知らないけど、もう声が聞こえなくなっちゃったみたい」
邪羅「そっか……」
スラヴィ「世界の王とつながれなくなったのは惜しいけど、わたしには……」

(マイオルの方を見るスラヴィ)

スラヴィ「ね?」


【女王と下僕】

ラス「どうして……邪羅はあんなことを」
闇主「ラス、泣かないで」
ラス「私を嫌いになったのか……?」
闇主「ラスにはおれがいるじゃない」
ラス「氷火には気の毒な事をした……あれほど人間と仲良くなろうとしていたのに」
闇主「そうだねえ」
闇主(だが、すぐ忘れるんだろう?)


【人命の月】

マイダード「ん……」
スラヴィ「起きた?」
マイダード「悪い、寝てた」
スラヴィ「わたしも寝てたからご心配なく」
マイダード「こんなに眠くなるもんなんだな。それも、うとうとするんじゃなくて、終わった後一気にすとんと来る感じ。睡魔には勝てないとはよく言ったもんだ」
スラヴィ「そうね」
マイダード「腕枕して睦言なんて、とてもじゃないが無理。でも、スラヴィがして欲しいなら……」
スラヴィ「鬱陶しいからそういうのいらない」
マイダード「だよな。おれ、スラヴィで良かった」
スラヴィ「わたしも」

マイダード「……本当に?」
スラヴィ「あなたねー、いい加減その疑り深いところ直しなさい!他の人ならいざ知らず、わたしまで疑ってどうするの」
マイダード「疑ってるのは、他人じゃなくておれ自身だよ。おれは自分に自信がない。体はでかくなったけど、心は昔のままの弱虫だ」
スラヴィ「やることやっといて何言ってるのかしらね」
マイダード「……責任は取ります」
スラヴィ「だからー、いちいち重く考えないの!わたしは好きでマイダードと一緒にいるんだから、わたしが選んだんだから!」
マイダード「うん………」
スラヴィ「その締まりのない顔をやめなさい」
マイダード「幸せすぎて死にそう」
スラヴィ「……馬鹿じゃないの?」

(窓から月明かり)

マイダード「明日は寝てていいからな。おれが部屋まで食事を運ぶよ」
スラヴィ「別にいいってば……」
マイダード「旦那にはいつ報告する?」
スラヴィ「ZZZZ」
マイダード「おーい」


(窓から月明かり)
(月明かりの照らすベッド)
(大きな縫いぐるみ)
(縫いぐるみが見つめる二人)


マイダード「……おやすみ」




(おわり)



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