▼ 燿様へ 一万打記念リク 「ぅーす・・」 「おはー・・・」 朝、教室に入ってきた俺を見るなり名前が今にも吹き出しそうな顔をしているのが分かった。 「え、何それ?ヤンキーごっこ!?」 「違ぇよ」 名前が指差しながらにたにた笑っているのは、昨日から風邪を引いてしまった俺が装着しているマスクだ。 学校休む=練習休む、なわけだから寮で寝てるわけにもいかねぇし。 熱はあるものの、マスクを着けて登校してきたわけだ。 それをこの女、体調の心配より先に爆笑してやがる。 「そーゆう中学生ヤンキーいるよね。あ、違うか!倉持はリアルだった!」 「うっせ」 「ヒャハっ!‥てか風邪?」 「おー…」 「秋大のこの大事な時に風邪!?倉持まじ使えねー」 朝一で御幸にも同じような事を言われた。 こいつと御幸はどうも同じリズムで生きているらしく、俺をイラっとさせる才能に長けているらしい。 いつもならここで一発技でもかけてやるところだが、どうも今日はそんな事をする余裕も無い。 むしろ耳栓までしてこいつの声を遮りたいくらいだ。 「あら?反論してこないなんてまじで重症?」 「もうお前黙れ。御幸と遊んでこいよ」 「やだ。倉持がいい」 「は・・・?」 視線を上に持ち上げてみれば、じっとこっちを見ている名前の顔。 不覚にもどきりとしてしまった。 「倉持のがいじり甲斐があるんだもんね!」 「死ね」 さっきまでの表情は何処へやら。 名前はまた御幸と同じような顔でにたりと笑った。 くそ。 さっきのはまじで取り消しだ。 こんな奴にどきっとしたなんて、きっと風邪のせいに違いない。 どうかしてる。 「つうか、マスクなんかしてたって治んなくない?無意味だよ」 そんな事名前に言われなくとも分かってる。 だけど、寮の同室にはあんなでも一応大事なピッチャーがいるわけで、教室にはやはり同じくあんなでも一応大事なキャッチャーがいるわけだ。 移したりなんかしてみろ。 俺はチーム全体・・・いや、首脳陣からも責められることになるだろう。 そんな事を考えていると目の前から名前の手が伸びてきて、ぐいとマスクを顎までずり下ろされた。 「なにすん・・っ!!」 マスクを外され外気に晒された唇は一瞬にして塞がれた。 名前の柔らかい、唇に。 「どうせなら私に移して治せばいいじゃん」 ぺろりと自分の唇を舐めてにっと笑う名前に体温が上昇したのも、心拍数がおかしいのも 絶っ対に風邪のせいだ!! 名前はにやりと笑うと顎まで下げたマスクを思いきり引っ張り手を離した。 「ぃてっ・・」 バチン、と音を立てたマスクはしっかりと元の場所へと戻って。 そのマスクで必死に顔を隠してみた。 風邪っぴきにちゅう (もう一度触れたいと思うのは、なんでだろう) -------------------- 燿さまリクの倉持夢でした。 ギャグ甘とリクをいただいたのですか・・・ ギャグとも甘とも言えないような状態に・・・ 上手ヒロインになってたでしょうか? 申し訳ありません! 小鳥遊の力ではこれが限界でした・・・ よろしければ燿様限定でお持ち帰りくださいませ。 企画にご参加くださった燿さま、この度は誠にありがとうございました!! また、日頃からもサイトにお越しいただいており本当にありがとうございます☆ 今後もTRAIN-TRAIN!!をよろしくお願いいたします♪ 2010/10/19 [back] |