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One week diary



「今日の6限のLHRは服装頭髪検査になったから5限が終わったら体育館に移動な」


今朝のホームルームで担任が発したその言葉に、教室中には凄まじいブーイングが飛び交う。
抜き打ちの服装検査が行われるらしい。
検査に引っ掛かるような要素の無い子たちは何食わぬ顔でその担任の言葉を受け入れていた。
そんな中、抜き打ちの服装検査を喜んでいたのは私だけだったろうな。


だって全校生徒が体育館に集まるってことはつまり、文哉先輩に会えるってこと。
それに加えて私も検査に引っ掛かる要素はゼロだから、軽い足取りで友達と体育館に向かった。

うちのクラスの列を見つけて、出席番号順の列に加わる。
三年生の列を見てみたけど、まだごちゃごちゃしていて文哉先輩を見つけることは出来なかった。

生徒指導の先生からの長ーい話の後に始まった服装検査。
一人一人と進んで行く中で、背伸びをしてもう一度三年生の列から文哉先輩の姿を探す。
多分あの辺だと思うんだけど・・・
こういうとき、目が良くてよかったっていつも思う。
じーっと目を凝らして探す。



いた!


沢山の人の中からやっと見つけた文哉先輩をもっとよく見たいんだけど、周りに立ってる人たちが先輩と同じくらいの背丈で完全に被っちゃってるよ。
なんとかしてもうちょっと見えないものかと小さくジャンプしてみたり、もっと背伸びをしてみる。


「わ・・・!」
「?なまえどうかした?」


思わず出してしまった声に口を押さえた。
前に並んでいた友達に何でもないと首を横に振ると急いで引っ込めた頭を更に低く下げる。


だって、だっていま、目が合った!
ふいにこっちを向いた文哉先輩と目が合って、びっくりして思い切り隠れちゃった。
文哉先輩、変に思ったかな・・・
だってこんな背伸びまでして先輩を見てたなんて恥ずかしい。


でもやばい、目が合っちゃった。
どうしよう、どきどきする。


暫くして、私より先に検査を問題なくパスした文哉先輩が友達と並んで体育館を出ていくその後ろ姿を、見えなくなるまで見送った。




木曜日、イベント発生




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