企画・記念 | ナノ

One week diary



休み時間、席に座っていたら後ろの席の御幸くんと倉持くんの話声が聞こえた。


「フミさん何だかんだで一年に甘いからなー」
「まあフミさんは優しいからな」


二人の会話に出てきた名前にぴくりと反応してしまう。
文哉先輩の話してる。
名前を聞いただけでどきどきしちゃう。
こっそり二人の会話に耳を傾けた。


「俺がミスした時とか励ましてくれるし」


そうだよ、文哉先輩は優しいんだよ。
今すぐ後ろの二人にそう言ってしまいたかったけどそんな事言える訳がなく、背中を向けたまま倉持くんの言葉に思わず緩んだ口元をそっとセーターの袖口で隠した。
私の好きな文哉先輩が他の人にも好かれているって知ると嬉しくなっちゃう。
相手が御幸くんと倉持くんじゃなくて女の子だったら、きっとモヤモヤしちゃうのかもしれないけど。


早くまた文哉先輩に会いたいな。

昨日の事を思い出して、更にニヤけた口元を袖から出る指でぎゅっと引き締める。

今日みたいに移動教室のない日は奇跡でも起きない限り文哉先輩と会うことなんて出来ない。
他の子たちのように練習を見に行けたら良いんだけど、放課後は私も部活の練習があるからグラウンドには行けないし・・・
下手したら次の月曜日まで会えないかもしれない。
だからこんな日はこうして文哉先輩の話を聞けるだけでも、私にとっては大収穫なの。

だから今はもう少し、二人の会話に耳を傾けていてもいいかな?




火曜日は盗み聞き




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