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まいこ様へ 五万打記念リク



「・・・あ、雨降ってきた」


降り出した雨が部室の窓に当たる。
グラウンド周りを走りに行ったみんなはもう帰ってくるかな。
みんな濡れて帰ってくるだろうからタオルを用意しておこう。
そう思って在るだけのタオルを重ねていると、貴子先輩が部室へ入ってきた。


「名前タオルありがとう」
「あ、いえ」
「みんなが戻ってきたら一先ず休憩だって」
「結構降ってきましたもんねぇ」
「うん」


窓の外を見上げると空は暗く、さっきより強くなり出した雨に溜息を吐く。
雨やだなぁ。
気分も落ちるし、気温も昼間に比べて大分冷え込んだ。
今日はもう室内練習に切り替えかな。

それから間もなくしてぱらぱらと戻って来たみんなはやっぱり雨に濡れていて、用意したタオルはあっという間に無くなった。


あ、そういえば傘・・・
下駄箱の傘置きに置いてきたままだ。
練習が終わる頃には校舎は施錠されてしまうし、練習再開まではまだ時間があるから今の内に取りに行っちゃおう。
すぐそこだし、下駄箱まではタオルでも被ってけばいいよね。
そう思って、タオルで頭を隠しながら走って下駄箱に向かった。

下駄箱の傘置き場には置き傘と思われる傘が沢山あって、その中から自分の傘を見つけて引っこ抜く。


「あったあったー」
「名前」


静かな下駄箱で突然後ろから呼ばれた名前にびっくりして振り向くと、頭からタオルを被った御幸がいた。
  

「なんだ御幸かぁ」
「あ、わり、びくっりさせた?」
「ちょっと。どうしたの?」
「いや、名前が見えたから来てみた」


御幸はそう言ってタオルを首にかけると、片手でおもむろに濡れた髪をかき上げた。

わ、やばい。
今すごいどきどきした。

御幸の仕草に思わず目を奪われて固まっていると、それに気付いた御幸がにやりと笑った。


「なに見惚れてんの名前ちゃん」
「は、見惚れてないし!勘違いやろうめ」
「またまた、素直になれって」
「ぎゃ!止めてよ、濡れるから離して!」


にたにたと笑った御幸に肩を組まれて顔を覗き込まれる。
濡れるし近いしどきどきするしっ、離れてってば!

御幸を引き剥がそうともがいていると頬にぽたりと水滴が垂れて、よく見てみると御幸の髪はまだ滴るくらい濡れていた。


「まだ髪びしょ濡れじゃん!早く拭きなよ、風邪ひいちゃう」
「じゃあ名前が拭いて?」


そう言って頭を差し出されて、どきどきしながら御幸の頭にタオルを持った手を伸ばし、柔らかい髪をわしゃわしゃとする。
たまにこうして甘えてくる御幸に私が弱いって知っててやってるんだ、絶対。


取りあえずこれだけ拭けば大丈夫かな。
そう思ってタオルを取ろうとふと上を見たら、隙間から覗いた御幸の瞳が私を捉えた。
さっきまでのふざけた表情とは違うそれに目を奪われたと同時に引っ込めようとした手首を捕まえられる。


「名前も冷たくなっちゃったな」


背中に回された腕で御幸の胸に抱き寄せられて、耳元で聞こえたその声にぼっと顔が熱くなる。

ばか、寒さなんて御幸に触れた時からとっくにどっかいっちゃったよ。
代わりにさっきからどきどきさせられっぱなしだ。

ぶすくれた顔をしながらも、私の好きな優しい顔して抱き締めてくれる御幸に暫く大人しく抱き締められてみることにした。


雨も言うほど悪くないのかも。




雨とどきどき
(部室まであいあいがさでかえろうか)


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五万打記念、まいこ様リクの御幸夢でした。

まいこさま、大変お待たせいたしました。
甘甘になってたでしょうか?


このような代物で大変恐縮ですが、まいこ様限定でお持ち帰り可とさせていただいておりますのでよろしければお持ち帰りくださいませ(^O^)

この度は五万打企画にご参加いただき、ありがとうございました!
また、日頃よりTRAIN-TRAIN!!にお越しいただき本当にありがとうございます!
どきどきしていただけているなんて嬉しいです()
これからもまいこ様にどきどきしていただけるような話を書けるよう頑張りますので、どうかよろしくお願いいたします!


2011/12/5 小鳥遊 隼斗




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