▼ 燿様へ 五万打記念リク 「さて、洗濯するか!」 休日の午後。 いつもと変わらない練習日。 今日は久しぶりに天気が良かった。 そんな日は出来る限り沢山の洗濯物を干したくなっちゃう。 カゴに山ほど積まれた洗濯物。 両手でそれをよいしょと持ち上げた。 あれ、積みすぎて前が見えない。 そんなに積み上げたつもりは無かったんだけど、持ち上げたカゴに入った洗濯物は私の頭と同じくらいの高さになってしまっていた。 一回で運ぶ方が楽だし、まぁいっか。 横着者の私は危ないと思いながらもそのままヨタヨタとグラウンド脇を歩き出す。 洗濯が終わったら次は道具庫の整理。 今朝新しい備品が届いたから整理してしまわなきゃ。 考え事をしながらヨタヨタ歩きをしていたら案の定、足元が縺れて体がぐらりと後ろに傾いた。 あ、やば こける。 そう覚悟して目をぎゅっと閉じる。 次の瞬間にはきっとお尻から落ちるだろうと思っていた私の体は不思議と痛みを感じることは無く、代わりにぽすりと何かに収まった。 同時に感じたのは私の体を支えた力強い腕。 「っぶねー」 聞こえた声にぐるりと首だけを動かしてみれば、そこには少し焦り顔の御幸がいた。 私が転ぶ寸前に後ろから抱き留めてくれたらしい。 最初は驚きの方が勝って気にならなかったけど、あまりの近距離に次第に顔が火照る。 「ご、ごめん!」 御幸の腕を押し返して傾いた体制を慌てて元に戻した。 ふと足下を見れば倒れかけた時に手放したカゴから飛び出して地面に散らばった洗濯物。 それをを見てがくりと肩を落とす。 せっかくここまで運んだのに・・・ 洗濯前のものであったのがせめてもの救いだ。 「前が見えないほど抱えて歩くなよ」 「だって〜行ったり来たりするの面倒だったんだもん」 「俺らに頼めばいいだろ」 「名前先輩大丈夫ですか!?」 たまたま近くを通りかかった沢村と春一くんが駆け寄ってくる。 散らばった洗濯物を一緒に拾い集めてくれた。 全部集め終わると洗濯物を入れたカゴを御幸が軽々と持ち上げ、歩き出す。 怒ってるかな・・・ 私が横着したせいでこうして御幸の練習時間を割かせてしまったし、沢村と春一くんにも迷惑をかけちゃった。 きっと呆れたよね・・・ 「持ってってやるよ」 「‥ごめんなさい」 「なんでごめんなさい?」 「だって・・・結局みんなに迷惑かけちゃった」 「ばーか、こうゆうときは可愛くありがとうって言えばいいんだよ」 「お前だってそんなだけど女の子なんだから」 思いがけない御幸の言葉に顔を上げるけど、御幸は前を向いたままでサングラスが邪魔してその表情は伺えない。 そんなでも、ってのが少しひっかかるけど今はぐっと堪える。 「それくらい俺ら男に頼れよ。じゃないと俺ら名前にしてもらいっぱなしじゃん?」 振り向いてにっと笑った御幸にどきどきする。 あの日、御幸が私を救い出してくれたあの時と同じその笑顔に、また胸がぎゅっとなる。 やっぱり私は御幸が好きだ。 「うん、ありがとう」 「おう。でもまぁ・・・練習中断した代わりに後で自主トレ付き合えよ?」 「えぇー」 肘で私を小突きながら言う御幸に文句を垂れてみながらも、口許がふにゃりと緩むのが分かった。 だって御幸と一緒にいられる時間が増えたんだから、にやけずにはいられない。 それに、御幸が今日は少し、私を女の子扱いしてくれた。 何よりもそれが嬉しくて、御幸の少し後ろでにやけた頬を引き締めるとその背中を追いかけた。 Glad holiday (うれしくてひとりでスキップしてみた) ---------------------- 五万打記念、燿様リクの御幸夢でした。 御幸連載の番外のリクをいただき、出来る限り甘く頑張ってみたのですがいかがだったでしょうか。 思いっきり甘く出来なくてすみません.. このような代物で大変恐縮ですが、お気に召していただければ何よりです。 燿様限定でお持ち帰り可とさせていただいておりますので、よろしければお持ち帰りくださいませ(^O^) この度は五万打企画にご参加いただき、ありがとうございました! また、日頃よりTRAIN-TRAIN!!を応援してくださって本当にありがとうございます! これからも燿様に楽しんでいただけるサイトにしていけるよう頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします! 2011/10/11 小鳥遊 隼斗 [back] |