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綾乃様へ 一万打記念リク




223、224、225...


ナイターの点いたグラウンドで黙々とバットを振る哲。
今日は一体何回やるつもりなんだろう。

バットが風を切る音を聞きながら、近くのベンチに腰掛けてその姿を見守る。
グラウンドに吹く風が少しだけ冷たくて。
制服の袖から出るセーターの袖を少しだけ引っ張り出すと背中を向けていた哲が振り返った。


「寒いだろ、先に帰ってもいいんだぞ」
「大丈夫!キャプテンの練習には最後まで付き合います。マネージャーですから!」


そう言って笑ってみせれば、哲もつられて笑顔になる。


「じゃあ・・・」


私の座るベンチに近付いた哲は置いてあった自分のジャンパーをふわりと私の肩に掛けた。


「これで少しは寒くないだろう」


肩に掛けられたジャンパーを手で押さえながら上を向いてみれば、少し眉を下げた優しい笑顔。
この顔、好き。

マネージャーの特権だよね。
こうして哲の練習に毎日付き合えるのも、優しい笑顔を近くで見れるのも全部マネージャーだからできることなんだ。
職権乱用だ、なんて声が聞こえてきそうだけどそれは聞こえない振りをしてしまおう。

ジャンパーの衿を顔に手繰り寄せてみれば、哲のにおいがする。
腕の部分には『結城』の刺繍。
私のスカートまですっぽり隠してしまいそうなおっきいジャンパー。
肩からずり落ちそうなこの大きなジャンパーを哲はいつも着ているんだ、と考えただけでどきどきする。


「哲のにおい、安心する・・・」



ぁ・・・しまった。
ついつい口から零れてしまったけど、これじゃただの変態みたいじゃん。
きっとそう思われたに違いない。
恐る恐る哲の顔を見て見れば、やっぱり目を丸くして驚いた顔をしてる。


「ゃ、あの、変な意味じゃなくて!!」
「じゃあ・・・」


慌ててそう弁解しようと顔の前で左右に手を振ってみせたら、その手を優しく捕まれた。



「こうしたら・・もっと安心するか?」


ふわりとジャンパーと同じにおいに包まれて、すぐ側で哲の声がする。
今までにないくらい近くに感じる哲の体温や息遣い。
安心する・・と言うよりはどきどきし過ぎて倒れちゃいそうだよ。


「哲のばか。心臓止まりそぅ・・・」
「すまん、俺が・・こうしたかっただけだ」


哲の胸に耳を寄せてみれば、そこから聞こえたのはどくどくと早く動く心音。


あったかな哲の胸の中。
もう少しこのままでいたくて、そっと背中に手を回した。




心音と体温
(きみも同じなんだと、愛おしくかんじた)


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一万打記念、綾乃様リクの哲さん夢でした。

マネージャーヒロインの甘とのリクをいただいたのですがいかがでしたでしょうか・・
お気に召していただければ嬉しいです☆
綾乃様限定でお持ち帰り可とさせていただきますので、よろしければお持ち帰りくださいませ♪

この度は一万打企画にご参加いただき、誠にありがとうございました!
また、日頃よりサイトに足を運んでいただきありがとうございます!
今後もTRAIN-TRAIN!!をよろしくお願いいたします。

2010/11/13 小鳥遊 隼斗




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