▼ 霜華様へ 一万打記念リク 最近名前と雅さんの距離が近い気がする。 練習の合間とか練習の後とか、かなりの確率で雅さんの隣には名前がいる。 カルロスに聞いてみれば、マネージャーがキャプテンの近くにいるのは別に珍しい事じゃないんじゃないか、と返された。 そりゃそうかもしれないけどさ。 それだけで纏められない感情が俺にはあるわけだ。 「また雅さんといるー・・・」 今日も朝から部室前で名前と雅さんの楽しそうな姿を見つけた。 「名前って雅さんの事好きなのかもな」 「・・・・・・!!」 俺だって心の隅っこでは少し考えてたよ。 だけど認めたくないから気付かないふりしてたのに。 後ろからひょっこりと現れたカルロスはさらりとそう言いのけた。 「鳴、名前はきっと大人の男が好きなんだよ」 「大人の男・・・」 「まぁ、お前には程遠いな」 カルロスをきっと睨めばくつくつと笑われた。 俺だって本気を出せば大人の男にくらいなれるっつーの。 「苦・・・」 教室で、いつものカフェオレを我慢してブラックコーヒーを飲んでみたりしたんだけども。 苦すぎてちびちびとしか飲めない・・・ もういいや、これ。 少しだけ口をつけたコーヒー缶を机の端に追いやった。 「ねぇ鳴」 「なにー・・ぁ、何か用か?」 名前に名前を呼ばれついいつもと同じ調子で応えてしまって、慌てて言い直す。 「鳴、最近なんか変だよ」 「そんなことねぇよ」 「ふーん・・・もしかして彼女できた?」 「は?」 「ほら、彼女できると雰囲気変わるって言うじゃん」 そんなもんなのか? いやいやそうじゃなくて! 良かれと思ってしたことが裏目に出てやしませんか? それとも俺のアピールにも気付かないほど名前は雅さんに夢中? そんな事に思考を巡らせていると、名前はがたりと席を立った。 「私は・・・いつもの鳴のが好きだな」 名前はそれだけ言うと背中を向けて、教室から出ていってしまった。 なんだよ。 なんだよ今の顔。 なんでちょっと悲しそうな顔するわけ? そんな反応ずるいじゃん。 名前の後を追って廊下に出ると、少し先に後ろ姿を見つけた。 急いで走って名前の腕を掴む。 逃げられてしまわないようにがっちりと。 「俺、雅さんみたいに大人じゃないから・・・そんな顔されたら期待しちゃうよ?」 「なにそれ、こっちこそ期待しちゃうじゃん!」 そう言って振り向いた名前の瞳にはじわりと涙が溜まっていて。 それを必死に堪える名前の姿が可愛くて、たまらなく愛おしい。 「大人の男にはまだなれないけど、名前を好きって気持ちは雅さんなんかに負けねぇよ」 一世一代の告白だというのに、目の前の名前はきょとん、とした顔をしている。 「なにその顔ー・・」 「だ、だって、なんでさっきから雅さん雅さんなの?」 「・・・だって最近の名前、雅さんにベッタリだったじゃん」 なんでって、こっちが聞きたいくらいなのに。 そう言ったら名前はくすくすと笑った。 「それは、鳴の練習で私にも手伝えるメニューを雅さんに組んでもらってたんだよ」 「まじ、で・・・」 「でも鳴に彼女ができたなら迷惑になるなーって・・わ!」 「やばい、超嬉しい!!名前大好き」 まだ話し途中の名前をがばりと抱きしめて、ぎゅっとした。 だって嬉しすぎる。 「ねぇ名前、ちゅうしたい」 「ば、ばか!ここ廊下だから!!」 「えーいいじゃん」 「だめ!やっぱり鳴はもう少し大人になりなさい!」 さっきまでの俺なら多分へこんでたような言葉も、今は全てが愛情の裏返しなんだ、なんて捉えてしまうのは調子が良すぎるだろうか。 「じゃあ今日の練習頑張れたらキスして!」 残念ながらお預けとなったキスは後でのお楽しみにするとして。 名前の手を握り歩きだす。 だってみんなに自慢してやらなくちゃ! ベイビーボーイと恋をしよう (きみと手をつないで歩く、それだけでなんて幸せ!) --------------------------- 霜華さまリクの鳴夢でした。 甘甘になっていたでしょうか。 ご満足いただければ嬉しいです。 どうも鳴を書くとやたらがきんちょ仕様になってしまう気がします・・・ 小鳥遊の中で鳴チャンはかわいいのかたまりなのです。 よろしければリクいただいた霜華様限定でお持ち帰りくださいませ。 霜華様、この度は一万打企画にご参加いただき誠にありがとうございました! 今後もTRAIN-TRAIN!!と小鳥遊をよろしくお願いいたします☆ 2010/10/28 小鳥遊 隼斗 [back] |