ハルさんと……



「ハルさん! できれば、その…乳首はやめてほしいです」

おずおずと頼んでみる。その言葉に、ハルさんはますます口角を吊り上げた。

うわぁ、ニヤァと音が聞こえるようだ。

「どうしてだ? 弱いのか?」

「弱いっつーか…」

どうしよう。これは言ってもいいことなんだろうか。

迷っていると、早く言えと言わんばかりに乳首を軽く擦られる。

「…っは、ハルさん! ちょっとタンマ…」

「やめてほしいなら早く続きを言え」

乳首を擦る指の力がだんだん強くなってきた。恥ずかしいが少し感じてしまうのでまじでやめていただきたい。

えっと…えっと…。

「な、なんか俺…んっ…か、開発? されたみたいなんすよね」

ピタリとハルさんの動きが止まった。

おお、どうしたハルさん。やめてくれたのはいいが、若干爪が乳首にかかってるのは気のせいか。

一瞬眉をひそめたハルさんだったが、次の瞬間、乳首に爪を食い込ませてきた。

「んぁ…っ」

若干の痛みと、それをほんの少し上回る快感に、思わず鼻にかかった声を漏らしてしまう。

不意打ちはよせよハルさん。

食い込ませた爪をはずした後は、労るようにくりくりと指で弄ばれる。あー、それはだめだって!

「…はっ、ん…ちょ、あ、待って…!」

「誰にだ」

声を出さないよう、必死に奥歯を噛みしめていると、真剣な顔でハルさんに聞かれた。

…ハルさんの真顔ってちょっと怖ぇんだよな。

「あ、あやか、に…」

また動きが止まった。

「あやか…? さっきフラれてきた女か?」

だからフラれたのは俺じゃないっての!

さすがにムッとしたよ俺は。

「そっす。なんかあやか、そういうのに興味があったみたいで、割と毎回…いじられたんすよね。そんでまぁ、着実に開発されていったと…」

初めて触られた時は動揺した。AVにもよく出てくるし、男でも性感帯になることは知っていたけど、それをあのあやかがやるとは思わなかった。

はぁ、と息を吐いたハルさんが、さっきまで浮かせていた腰を俺の腹の上に下ろした。おおう、俺の腹筋鍛えてくれるんすか。いや違うな。

「あの教科書が似合うようなマジメっ子がそんなことするのか。俺の経験もまだまだ浅いな。だいたいおまえもなんで開発されるまで触らせてんだ。趣味を疑うぞ」

「いや、だって戸惑ってるうちに流されたし、あやかが嬉しそうだからまあいいかなって…減るもんじゃないし」

 

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