「で、おまえ。あの食料どうやって手に入れたんだ? 狩りをして来たわけじゃねぇんだろ?」

食後の運動の後、ベッドの中で聞かれた。それに俺はまた、ニヤリとする。

「あの肉、なに肉だと思う?」

「? 豚とか牛じゃねーよな。鹿…にしては固すぎたし、猪? …違うな」

「あれな、人肉」

「……は?」

これぞ、してやったり。奴の間抜けな顔を見て、俺の広角はどんどん上がる。

「婆さんと赤ずきんの肉だよ。死体は適当に処分しろっつったろ? 案外イケるだろ、人の肉って。ちなみにスープは血を入れた」

「…………まじか……」

どーよ? おまえもついに人食いデビューだな。

しばらく無言で天井を見つめ、そしてゆっくりと俺に視線を向けた。

その顔は俺以上にニヤリとしていて。

「ああ、悪くねぇな」

これからは俺が料理を担当してやろう。

今日は俺たちの、記念日だ。



     ―おわり―


 

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