待てって、いつまで…。

戸惑っていると、結人は前の方に手を伸ばしてきた。男の急所を掠める指に、思わず身を堅くする。

手はそのまま太ももあたりをさまよう。時折俺の息子を掠めては、じらすように軽く擦られた。人に触らせたことなんてないその部分が、わずかに熱を持ち始めたのがわかった。

…待て待て待て待て。なんだこの展開は。結人はいったいなにをしている?

抱き合ってるせいで顔は見えない。体を離そうにも、結人は俺の首をしっかり抱き締めている。強く突き放すなんてできないし、俺はためらいながら結人の肩を叩いた。

「結人…っ」

「コウちゃん今傷心だからさ。俺が慰めてあげるよ」

「はっ?」

慰め…慰める…慰めてあげ……って、なに、そーゆーことなん!?

「だからさ、俺のも、慰めて?」

そう言いながら、首から腕を外した結人は俺の手をとって、自身の中心へと導いた。

そこはなぜか、本当になぜか、ゆるーく持ち上がっていて。

そこに触れると、結人が短く息を吐いた。

「コウちゃんに欲情する俺って変態かな。引いた?」

俺が結人に引くわけがない。今更こいつの性癖を知ったところで、受け入れる準備はできている。

それどころか、むしろ……。

「…興奮する」

結人の中心を握り込みながら言うと、結人も手に力を込めて嬉しそうに微笑んだ。

「…ん、はっ」

しばらく無言で互いを擦り合った。結人の手は巧みに動き、時折先端に軽く爪を立てたり、指先をグリグリとねじ込んでくる。そのたびに体が震え、熱っぽい息を吐き出した。

こいつ…なんでこんなにうまいんだ…。

少しばかり悔しくなって、ムキになって自分も手を動かした。それに気づいたのか、結人がクスリと笑う。

「よし、ベッド行こう」

「え? ぉわっ」

急に手を引かれて立たされ、すぐそばのベッドの上に寝かされた。すぐに結人が上に乗っかってきて、両腕を頭の横に縫いつけられてしまう。

え、なにこの体制…。

「襲われる、とか思った?」

結人がおかしそうに目を細めた。そこには明らかに興奮が含まれていて。

「いや…つか、逆じゃね? 普通」

「なにが?」

「上下逆だろ。どう見ても俺が上…」

「タッパ低くたって俺のが経験値は上なの。テクニックでなら十分コウちゃんを気持ちよくさせてあげれるよ? それに…」

俺、ずっとコウちゃんにこうしたいと思ってた。

耳元でそう囁かれ、僅かながらぞくりとする。結人はそのまま俺の耳に軽く噛みつき、ねっとりと舌を這わせてきた。

「…ん」

大きな刺激ではないが、妙なぞわぞわが体を巡る。湿って熱い結人の舌は、ゆっくり確実に、俺の耳を犯していった。

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