「監督ー、トミさん知りませんー?」
「んー?俺の部屋にはいないよ」
「監督の部屋にいないって言ったらどこに・・・」
監督とトミさんは、仲がいい。
それは仲がいい。
仲がいいことはいいことだけど、それがなにか胸に突っかかる。
話によれば、トミさんは10年前の監督、つまり現役時代の達海猛を知っている。
そりゃ仲がいいにきまってる。
「世良さん、どうしたんスか」
そして、まだスクール生だった頃の赤崎も知っているらしい。
あの頃から生意気だったと言っていた。
胸のあたりが何故かもやもやする。
ってことは、昔の堺さんも知ってるわけだし、コシさんのことも、ドリさんのことも、みんなみんな知ってるってことだ。
その記憶の中に、俺はどれだけいるんだろう。
少しでもその記憶の中にいればいいのに。
「ただーいまー。あーつかれた」
「おかえりなさいトミさあん!」
そう叫んで彼女に飛びつくと、また殴られた。
このやり取りが、彼女の脳裏に残っていればいいのに。
君の記憶に居させて

世良が悶々としてる話が書きたかった




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