目が覚めたら、そこにはいつもの風景が浮かんでいた。
「帰れた・・・、やった・・・やったあああ!」
叫び、ベッドから飛び起きると、ぐにっと足元の何かを踏んだ。
「いだだだだ、痛い、痛いですわ!」
聞き覚えのある声が鼓膜に響いた。
まさか、嘘だろ、私はまだゆめからさめてないというのか。
試しに頬を引っ張ってみた。痛かった。
しかしあの夢には痛覚が存在していた気がする。
じゃあコレも空想の世界であって、私の脳内で起こっている事だというのか。
「ウ、ウワアアアアアアアアアアアアアア!今度こそ鳥人間が・・・!鳥人間が・・・!」
「落ち着いてくださいまし、佐倉さん」
「ていうか・・・、マドツキさん、なんでいるの?その口調はなあに?」
「ホホホ、いつも通りですわ」
嘘だ。私にあそこまで辛辣にあたっておいてそれはないぞ。
「そういえば、貴方にちゃんとした名前を教えていませんでしたね。私、夢妖と申します。これからもよしなに」
「へぇ・・・、名前も厨二病なんですね」
「ちゅう・・・?なんの事でしょう」
なるほど、あくまでしらを切るつもりか。
「よー、サックラー、起きたかー。それよりコーヒーどこ」
「わっ、トミー、なんでいるの」
「なんでって、お前が心配だから・・・」
「東京に帰らなくていいんですか!仮にも土地神ですよね!?」
「そうですわよ、六。さっさとお帰りになったら?」
「うっせーよ低俗クサレビッチ夢魔」
「んだとコルァ!」
「もどった!」
おんなって、こわいです。
なんでいるのマドツキさん


気が済むまで夢妖たんのターン続きます。

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -