「好き好き!大好き!ずっと一緒にいようね!」いつだって、浮かぶ言葉はそれだけで、ただ、ただ、彼は笑って聞いてくれた。
「ねー、ドタチーン、すきー」
「お前なぁ・・・、その呼び方やめろっていっつも言ってるだろ」
「かわいいよ?」
「嫌なんだよ」
「ふぅん」
そう短く答えを返して、膝の上に乗っけた雑誌に視線を落とした。
「いいなぁ、この服」
そう呟くと、「どれだ」と彼が私の肩越しに雑誌を眺める。
「これこれ」と指をさすと、「こっちのほうが似合うんじゃないのか」と彼は隣の服を指さす。拗ねて雑誌を閉じると、何事もなかったかのように、彼は自分の座っていた場所に座りなおして、本を開いた。
「・・・変わらないね」
ぽつり、とそう言うと「は?」と彼は気の抜けた声で返事をして、本から視線をあげた。
「何の変哲もないの、どんな日を歩んだって、なにも変わらない気がするの。それって、幸せなのかな?って」
「人それぞれだろ」
「じゃあドタチ・・・、京平はどう思う?」
おっといけない、と口元を押さえると、そんなことおかまないなし、といった様子の彼は
「俺は幸せだぞ」ときっぱり言い切って、また本を読み始めた。
「・・・」この人はこういう人だって、理解した上で一緒にいる。それで満足なのだ。満足しなければ、もっと違う男に惚れているはずだ。
「お前はどうなんだよ」
「私?私はぁ・・・、満足かな」
えへ、と笑うと「なんで上から目線なんだよ」と本の角で頭を小突かれた。
「ねぇ、京平、私、幸せだよ、好きだよ」
「俺もだ」
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