「よっし、できた、上出来だろう」
先ほどから鳴っていた、かさかさと紙を折る音と、じゃきじゃきと紙を切る音が止んだ。
「鶴、ていうか、折り紙なんて何年ぶりかねー、日本人ってすごいよね、何でも紙で作るから。かく言う私は子供のころ、友達の少なさにいつも一人折り紙をしていたもんよ・・・」
「泣くくらいなら言わなくていいよ!ってミサカはミサカはナマエの肩をポンと叩いてみたり」
「ハハハハ、気遣いありがとうアホ毛ちゃんハハハハ」
「・・・オマエら、さっきから何作ってンだ?」
「鶴」
ナマエはぺかーっと輝く笑顔を浮かべながら折り鶴を一つ、手の上に乗せた。
・・・がしかし、
「・・・俺の知ってる鶴じゃねェ」
なぜか鶴の尻尾にあたる部分がなくなって、その代り足が生えている。
「どうだ、センスあふれる鶴だろう」
「いや、これ鶴じゃねェ」
「百円均一で売っている安っぽい千代紙(和柄)を使うことによってスタイリッシュかつナンセンスにだな」
「フォルムが既にナンセンス」
「ガニ股がとってもキュート」
「これは鶴じゃねェ!あとキュートとか言ってるくせになンで無表情なンだよ!」
「インテリアにおひとつ」
「ざけンな!」
「みてみてナマエ―!とミサカはミサカは折った鶴をこれ見よがしに見せつけてみたり!これで七個目だよ!ってミサカはミサカは現状を報告ー!」
「ハハッ、もうすぐピラミッド作れそうだね、よかったな、一方通行、いいオブジェクトができるよ」
「よし、破る」
「え、やめ、ちょ、アアアアアアアア鶴さああああああああああああああん!」
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