「カップ麺ばかりじゃ飽きるだろう」
温めたパックのご飯を茶碗によそり、保冷バッグから醤油とバターと七味を取り出した。
「さぁ、どうぞ」
「ちょっと待て」
「胡椒は私の趣味の関係でございません」
「そォいう問題じゃねェだろ!」
ばんっとガラス製のラグテーブルを叩くとナマエは不思議そうに眉間にシワを寄せた。
「はて、何が問題か」
「オイ、これの何処がカップ麺と大差があるンだよ」
「いち、汁がない。に、お米だ。さん、お皿を洗う手間がある」
「・・・」
「ああ、なるほどな、つまり君は主食だけでは物足りないと、なにか汁ものと主菜が欲しいと。
・・・仕方がない、丁度ここに本だしと醤油がだな「それですませるつもりだろ」何故分った。ちなみに主菜はそこの冷蔵庫のちくわをだな・・・」
「いるかンなもン」
「わーおお前、ちくわそのままなんて、私そんなもの子供の時食べさせてもらえなかったわよ。衣を付けて油であげたやつすら食べさせてもらえなかったのよ、親に「ちゃんとした切り身を焼いて食べなさい」って言われたのよ!」
「それただのボンボンじゃねェか!」
テーブルに箸を置くと、ムッとナマエは明らかに口から出たとしか思えない効果音を発した。
「聞き捨てならぬな、私がぼんぼんのおぜーさまなら醤油かけご飯なんてびんぼっちいもの食わないし!」
とりあえず食えっ!と促されて、渋々箸を握る。

「ああ、美味いわ」
だべーっと叫ぶナマエにいらだちを感じたが、まあ、いっか。




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