@宮田学生時代捏造


「ところで、息ってどうするんでしたっけ」
「・・・へ?」
しろうくんってば、ほんとうに不思議な人。おないどしなのに、けいごを使っておはなしをするし、おないどしの私よりもずっとずっとわけのわかんないことを考えているんだもん。
「えっと、息はー・・・、鼻からすって、口からだすんだよ、あ、でも、鼻だけでいきしてる人もいるし・・・」
「息の仕方って、結局、誰が教えてくれるんでしょうね」
「・・・さあ?考えたこともないよ。生まれた時からしてたんだもん、わからないよ」
しろうくんの目は、いつもにごっていて、でもそのなかにするどくて、冷たい光があって、反対に、おにいさんのけいくんは、いつもおろおろしているけど、すごくあったかい目をしている。
でも、けいくんの話をすると、しろうくんはいつもまゆげとまゆげの間にシワを作って、そっぽをむいてしまうから、きっとおにいさんがきらいなんだろうなぁ、なんて。
「息を止めれば、ここからいなくなれるかな」
「なんで?きらいな人がいるの?」
「そうじゃなくて」
「じゃあ、ここにいようよ」
あ、またシワが出来た。わたし、なにかいけないこと、言ったかな?
「やっぱり、貴方が苦手です」
「じゃあ、なんで一緒にいるの?」
「色々あるんです」
「・・・やっぱり、しろうくんの考えることはわからないや」
「俺は、誰からも必要とされてないんじゃないかって、たまに思うんです」
「・・・なんでわかるの?」
「母さんだって、いつも兄さんのことばっかり話すんだ」
「・・・やっぱりわからないや」
「それに、貴方だって、俺のはなしをわからないっていう、誰も俺の話なんて聞いちゃいないんだ」
「わからないけど、私、しろうくんがするお話、全部全部聞いてるよ。しろうくんは、いらない人間なんかじゃないよ」
ああ、またあきれられるんだろうなぁ、もう、しろうくんの悲しそうな顔は見たくないよ。





存在意義を30文字で答え(問い)なさい。


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