女学生の背中に、なんかいる。
説明しづらいけど、なんか、人間じゃないものがいる。
いつも自分の後ろをついてくる安野にはみえていないらしいので、アレは人間じゃないものだ、自分は霊感があるとは気づいていた。アレは人間じゃない。もう一度言う、アレは人間じゃない。
しかし、いきなり「背中に幽霊が憑いていますよ」なんて、「背中にゴミついてますよ」みたいな軽々しさで言えるようなものではない。ましてや、ゴミは簡単に取れるが、彼女のせなかのそれは簡単に取れるものじゃない、簡単に取れるなら、今頃自分はこんなところで講師なんてやっていない。
「あー!背中!」
安野のそんな叫び声にびっくりして後ろを振り向いた、コイツやっぱりバカだ、どうしようもないバカだ、もう山に篭もりたい、いや、篭っても付いてくるんだろうな。
「ゴミ、ついてるよ!」
そう言って幽霊学生(失礼だがいい呼び方が見つからない)の背中についた糸くずをひょいと取り、それを指ではじいて、廊下に捨てた。
「ダメだよー、女の子は身だしなみに気を遣わなきゃ」
腰に手を当てそう豪語する安野に、幽霊学生は「ありがとう」と頭を下げた。
「君」「なんでしょう」



「背中に、憑いてますよ」
(ナニって、ユーレイ)



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